第1夜 ギリシャ神話 まとめ

ギリシャ神話を一から、飲み会のノリで全部話す

父親のちんこを鎌で切ったら、海から愛と美の女神が出てきた。はい乾杯。ギリシャ神話、開幕からだいぶ終わってるんよ。世界はキラキラ神殿じゃなくカオスから始まるし、親子げんかは政権交代になるし、ゼウスは牛、白鳥、黄金の雨になってまでセックスしに行く。英雄はだいたい親世代の欲望の後片づけ係。ここからトロイア戦争まで、飲み会でそのまま話せる形で一気にいく。

ギリシャ神話はなぜカオスから始まるのか

ユウマ
ユウマ
最初から飛ばすね。ギリシャ神話の世界の始まり、光る神殿じゃない。カオス。
ぐちゃぐちゃの空っぽ。何かありそうで、まだ形がない。飲み会の二次会終わりのテーブルみたいに、グラスも皿もあるのに秩序だけ死んでる状態www
あおい
あおい
世界の始まりが汚いテーブルなのやばwww
ユウマ
ユウマ
そこからガイアが出る。ガイアは大地そのもの、母ちゃんそのもの。ガイアは一人で天空の神ウラノス、海、山を生む。
地面が空を産むの、スケールでかすぎてもう家族写真が地図。で、そのガイアとウラノスが夫婦みたいになってセックスする。天と地がくっついて、子どもがドカドカ出る。
まずティタン神族。クロノスとかレアとか、あとで親世代として大揉めする連中ね。さらに一つ目巨人キュクロプス、腕が百本あるヘカトンケイルも生まれる。
家系図のはずが怪獣図鑑。親戚の集まりで一つ目と腕百本がいる。席順どころか店の入口で詰む。
だいすけ
だいすけ
腕百本のやつ、枝豆配る速度だけは神だな。
ユウマ
ユウマ
そこじゃないのよwww で、父ウラノスが最悪。自分の子なのに、見た目が気に入らない。怪物っぽいから嫌だって、子どもたちを母ガイアの体の奥に押し戻す。
産ませるだけ産ませて、気に入らない子は母ちゃんの中に返品。ガイアからしたら体も心も限界。そりゃキレる。
ガイアは子どもたちに、父ちゃん何とかしてって頼む。でも相手は天空の神。みんなビビる。で、末っ子クロノス。こいつ次に何したと思う?
あおい
あおい
家出?
だいすけ
だいすけ
親族グループに長文お気持ち。
ハル
ハル
ここ鎌じゃないの。なんか嫌な予感する。
全員のグラスが一瞬止まる。
ユウマ
ユウマ
正解。ガイアが鋼の鎌を用意して、クロノスが待ち伏せする。ウラノスがガイアにのしかかった瞬間、シャキン。父ちゃんのちんこを切る。
ギリシャ神話、最初の政権交代が去勢。選挙じゃない。話し合いじゃない。玉の近くに鎌。
だいすけ
だいすけ
政権交代の絵面が最悪すぎるwwww
ユウマ
ユウマ
しかも切られたブツが海に落ちる。そこで泡が立って、そこからアプロディテが生まれる。愛と美の女神。
海の泡、アプロスから名前が来たとも言われるやつ。現場いちばん汚いのに、出てくる女神いちばん美しい。ギリシャ神話、初手から血と泡で美容の女神を出してくる。
これでウラノスの時代は終わって、クロノスが王になる。でもここで終わらない。父を切った男は、今度は自分が父になる。
そしたら自分の子にも同じことされるんじゃないかって震え出す。暴力で椅子を奪ったやつ、椅子の音に一生ビビるんよ。
ユウマが鎌の形に箸を曲げるふりをする。
ユウマ
ユウマ
父を切った男、今度は子を食う。

クロノスはなぜ我が子を丸呑みしたのか

ユウマ
ユウマ
クロノスは王になった。でも心はずっと警報鳴ってる。お前も子どもに倒されるぞって予言される。これが刺さる。だって自分が父を鎌でいった本人だから。
普通なら、俺はいい父になるって思うじゃん。クロノスの答えは、産まれた子を即丸呑み。対策が胃袋。雑すぎる。
だいすけ
だいすけ
セキュリティが内臓なの怖いwww
ユウマ
ユウマ
妻レアが子を産むたび、クロノスがゴクリ。ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドン。神話の大物が全員、父の腹の中で待機。
育児参加ゼロで、飲み込むことだけ参加。家族写真撮ろうとしたら全員お腹の中。だいぶ終わってる。
あおい
あおい
赤ちゃんを見ずに飲むのほんと無理。
ユウマ
ユウマ
レアも限界。末っ子ゼウスの時に作戦を立てる。赤ちゃんの代わりに石を布で包んで、はい産まれたよって渡す。クロノス、確認しないで丸呑み。
おい王、石と赤子の重さくらい気づけ。確認しないでサインする社長でもまだ紙を見るぞ。こいつは石を食う。
本物のゼウスはクレタ島の洞窟に隠されて育つ。ここ大事。予言そのものが山奥でこっそり育成されてる。クロノスは胃袋で未来を止めたつもり。
でも未来はクレタでミルク飲んで育ってる。予言にビビった支配者が、回避行動でかえって破滅を育てる。これ、ギリシャ神話の定番ムーブね。
で、大きくなったゼウスが戻る。父の腹には兄弟姉妹が全員いる。ここで問題。ゼウス、次に何したと思う?
だいすけ
だいすけ
腹パン。
あおい
あおい
手術。
ハル
ハル
吐かせそう。神話だし。
ユウマ
ユウマ
吐かせる。薬を飲ませて、クロノスにオエッとさせる。石も兄弟も出る。
ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドン、父の口からぬるっと再登場。久しぶりの再会がハグじゃなくて、全員ぬるい。最低なのに覚えやすいのが腹立つ。
だいすけ
だいすけ
家族の再会でこんな嫌な音することある?
ユウマ
ユウマ
そこから親世代ティタンと、ゼウスたち子世代の十年戦争。名前はティタノマキア。要は親世代との神様大戦争。十年。反抗期で家のドア蹴るとかじゃない。世界規模で親と殴り合う。
ゼウスは、ウラノス時代に閉じ込められてた一つ目巨人キュクロプスと百手巨人ヘカトンケイルを解放して味方にする。キュクロプスはゼウスに雷、ポセイドンに三叉の矛、ハデスに姿を消す兜をくれる。
ヘカトンケイルは腕百本で岩を投げまくる。説明いらないくらい暴力の量が多い。
勝ったゼウスたちは、負けたティタンをタルタロスへ落とす。タルタロスは冥界よりさらに深い牢獄みたいな場所。地下の地下のさらに地下。もう地図アプリも諦める深さ。
そのあと世界を分ける。くじでゼウスは天、ポセイドンは海、ハデスは冥界。ハデスは悪役っぽく見られがちだけど、この時点では配属先が地下だっただけのまじめ出勤。
ゼウスが空の王、ポセイドンが海の短気親分、ハデスが死者の国の管理者。やっと新体制ができる。
だいすけが小声で、胃袋政権よりはマシか、と言う。
ユウマ
ユウマ
その通り。ただし新社長ゼウスの私生活が、ここからギリシャ全土を燃やす。

オリュンポス十二神はどんな問題児集団なのか

ユウマ
ユウマ
オリュンポス十二神って、ゼウスを中心にした神々の常連メンバーね。ゼウス、ヘラ、ポセイドン、デメテル、アテナ、アポロン、アルテミス、アレス、アプロディテ、ヘパイストス、ヘルメス、ヘスティアとかディオニュソス。
版によって席替えはある。ハデスは超重要だけど冥界勤務だから、山の常駐席には入りにくい。
で、この役員会が神聖かというと違う。議題の半分がゼウスの不倫処理。王としては最強。雷持ち、戦争勝ち、秩序の顔。
でも私生活が崩壊。牛、白鳥、黄金の雨に変身して女のところへ行って、セックスして、子どもを作る。変身リストが浮気用の着替え箱。
だいすけ
だいすけ
黄金の雨って何だよ、結局それで入れるのかよwww
ユウマ
ユウマ
入っちゃうのよ。しかもそれが後で英雄の第一話になる。ゼウスのやばさは、セックスがその場で終わらないところ。毎回、別シリーズの主人公とか戦争の火種が生まれる。
まずイオ。ゼウスがイオに手を出す。妻ヘラにバレそうになる。ここでゼウス、次に何したと思う?
あおい
あおい
土下座?
だいすけ
だいすけ
スマホを川に投げる。
ハル
ハル
女を牛にしそうで怖い。
ユウマ
ユウマ
それ。イオを牛に変える。違う違う違うwww 証拠隠滅で人を牛にするな。ヘラも強くて、じゃあその牛ちょうだいって取り上げる。
見張りをつける。ゼウスが見張りを処理させる。ヘラはさらにアブを送って、牛になったイオを世界中さまよわせる。嫉妬の移動距離が異常。
ハル
ハル
牛で世界中はきつすぎる。誰も幸せじゃない。
ユウマ
ユウマ
そして天丼。白い牛になってエウロペに近づき、クレタへ連れていく。その子の系譜にミノス王が出る。ミノタウロスの話につながる。白鳥になってレダとセックスする。
そこからヘレネが出て、トロイア戦争の火種になる。黄金の雨になってダナエとセックスする。そこからペルセウスが生まれて、メドゥーサ退治へ行く。ゼウス、セックスするたびに別シリーズの第一話を始めるな。
だいすけ
だいすけ
一人で番組表を荒らすなwww
ユウマ
ユウマ
ヘラも単なる怖い奥さんじゃない。ヘラは結婚の女神。つまり夫ゼウスが浮気するたび、自分の担当部署が燃える。
結婚の看板を背負ってる本人の夫が毎回やらかす。そりゃ怒る。ただ怖いのは、怒りがゼウス本人より相手の女と子どもに飛びがちなところ。
代表がヘラクレス。ゼウスがアルクメネとセックスして生まれた怪力英雄。赤ちゃんの時点でヘラが蛇を送る。でもヘラクレス、赤子なのに蛇を握りつぶす。哺乳瓶より先に蛇を処理する赤ちゃん。
大人になってからもヘラの怒りは続く。狂気を送られて、妻子を殺してしまう。その罪を償うために十二の難業へ行く。ネメアのライオン、ヒュドラ、ケルベロス。怪物退治の裏に、父のセックスと正妻の怒りが乗ってる。
店員が皿を置く音だけが妙に大きい。
ユウマ
ユウマ
オリュンポスは神聖会議じゃない。権力者だらけの修羅場シェアハウス。

英雄たちはなぜ怪物退治に巻き込まれるのか

ユウマ
ユウマ
英雄編いくよ。まずペルセウス。母はダナエ。ダナエの父アクリシオスは、自分の孫に殺されるって予言される。
はい出た、予言にビビる支配者シリーズ。ウラノス、クロノス、アクリシオス。権力持ってる男、未来の悪口に弱すぎる。
アクリシオスは娘ダナエを閉じ込める。男が近づけないようにする。でもゼウスが黄金の雨になって入って、ダナエとセックスする。
そこからペルセウスが生まれる。鍵をかけても雨で来る男、迷惑の次元が高い。
あおい
あおい
セキュリティ会社が泣くやつだ。
ユウマ
ユウマ
アクリシオスは母子を箱に入れて海へ流す。怖い予言から逃げるためなら何でもする。二人はセリポス島に流れ着いて助かる。そこの王ポリュデクテスがダナエを狙う。邪魔なペルセウスを遠ざけたい。
そこで無茶ぶり。メドゥーサの首を取ってこい。見たら石になる怪物。髪は蛇。目が合ったら即オブジェ。
だいすけ
だいすけ
初見殺しどころか初見で石像www
ユウマ
ユウマ
でもペルセウスはアテナとヘルメスに助けられる。反射する盾、空飛ぶサンダル、首を入れる袋、姿を隠す兜。ここは用語より絵で覚えればいい。
直接見ない。盾を鏡みたいに使って、反射で位置を見て、首を切る。真正面から見たら終わる相手を、見ないで倒す。
しかもメドゥーサの首は切った後も石化の力が残る。だから帰り道でも武器になる。ペルセウスはアンドロメダを怪物から救って結婚し、母を狙ってた王たちも石にする。
首ひとつで全部ひっくり返す。持ち込み禁止どころじゃない。
で、最後に天丼が来る。祖父アクリシオスは孫に殺される予言を避けたかった。なのに競技でペルセウスが投げた円盤が、逃げていた祖父に当たって死ぬ話がある。
殺意ゼロでも運命は着弾だけ正確。逃げるほど当たる。予言ビビりシリーズ、また自分で回収してる。
ハル
ハル
回避行動が全部裏目なの、見てて胃が痛い。
ユウマ
ユウマ
次、テセウス。舞台はクレタ。王ミノスは、ゼウスが白い牛になって連れて行ったエウロペの子の一人とされる。で、この家も牛で壊れる。ポセイドンが立派な牡牛を送って、ミノスはそれを神に捧げる約束をしてた。
でも惜しくなって別の牛でごまかす。神をなめた結果、妃パシパエがその牛に欲情するようにされる。ここ、ぼかさない。牛に欲情。そこから半人半牛のミノタウロスが生まれる。
だいすけ
だいすけ
牛関連の事故、多すぎるだろ。
ユウマ
ユウマ
ミノスはミノタウロスを迷宮ラビュリントスに閉じ込める。作ったのは名工ダイダロス。アテナイは負けた罰で、若者を餌として送らされる。そこへテセウスが、俺が行くって出る。
クレタでミノスの娘アリアドネがテセウスに惚れて、糸玉を渡す。入口から糸をほどきながら進めば帰れる。テセウスはミノタウロスを倒して、糸をたどって脱出。ここまでは完全に英雄。
あおい
あおい
ここで終わればいいのに、絶対やらかす顔してる。
ユウマ
ユウマ
やらかす。帰り道でアリアドネを置き去りにする話がある。さらに父アイゲウスとは、勝ったら白い帆で帰るって約束してたのに忘れる。黒い帆のまま帰ってくる。
父は息子が死んだと思って海へ身投げ。その海がエーゲ海の名の由来と語られる。怪物には勝ったのに、帰宅連絡で父を失う。
あおいがスマホを伏せて、連絡って大事だね、とつぶやく。
ユウマ
ユウマ
ギリシャ神話の英雄、怪物には勝つ。でも人生の事務処理で負けがち。

オルフェウスはなぜ振り返ってしまったのか

ユウマ
ユウマ
ここでいったん下ネタと牛から離れる。オルフェウス。こいつは筋肉じゃなくて音楽の人。竪琴と歌がうますぎて、木も石も動物も寄ってくる。
路上ライブで森が動員される男。妻はエウリュディケ。二人は愛し合ってる。でもエウリュディケが蛇にかまれて死ぬ。
あおい
あおい
急にしんどい。さっきまで牛で笑ってたのに。
ユウマ
ユウマ
オルフェウスは泣いて終わらない。冥界まで取り戻しに行く。相手はハデスとペルセポネ。死者の国の王と王妃。
殴って勝てる相手じゃない。だから歌う。ケルベロスも、亡者も、罰を受けてる連中も、みんな聞き入る。地獄の待合室がバラード会場になる。
だいすけ
だいすけ
歌で地獄を黙らせるの強すぎる。
ユウマ
ユウマ
ハデスたちも心を動かされて、エウリュディケを連れて帰っていいと言う。ただし条件は一つ。地上に完全に出るまで後ろを振り返るな。妻は後ろからついてくる。
でも見るな。たったそれだけ。なのにこれがきつい。
ハル
ハル
それ絶対きつい。信じたいけど怖い。
ユウマ
ユウマ
暗い坂を上る。後ろにいるはず。でも足音が分からない。本当についてきてるのか。だまされてないか。あと少しで地上の光。もうすぐ。ここでオルフェウス、振り返る。
テーブルの音がすっと消える。
ユウマ
ユウマ
エウリュディケはいる。でもまだ完全には地上に出てない。だから戻っていく。二回目の別れ。
確認した瞬間に失う。これ、ゼウスの変身セックスとかクロノスの丸呑みみたいな大事故じゃない。ただ振り返るだけ。首を少し動かしただけで全部終わる。
あおい
あおい
分かるのがつらい。見ちゃうと思う。
ユウマ
ユウマ
そう。振り返るのは疑いだけじゃない。愛してる人が本当にそこにいるか確かめたい衝動でもある。欲がでかい時は世界が壊れる。
欲が小さい時は心が壊れる。失いたくない、確かめたい。その一回で終わる。神話って下品なだけじゃなく、たまに急所を素手で握ってくる。
だいすけ
だいすけ
飲み会で胸つかまれる話やめろ。いや聞くけど。
ユウマ
ユウマ
ここまでで材料はそろった。親子げんか、ゼウスの変身セックス、ヘラの嫉妬、英雄の怪物退治、冥界の悲恋。次はこれ全部が人間の戦争にぶち込まれる。
トロイア戦争。女神の美人コンテストの恨みで、国が十年燃える。
さっきまで笑っていたテーブルが、少しだけ静かになる。
ユウマ
ユウマ
オルフェウスの話は、ギリシャ神話が下半身だけじゃなく、心の奥にも刃を入れてくる証拠だ。

トロイア戦争とオデュッセウスはなぜ二十年も帰れないのか

ユウマ
ユウマ
ラスト、トロイア戦争。きっかけが飲み会向きすぎる。英雄ペレウスと海の女神テティスの結婚式に、争いの女神エリスだけ呼ばれない。
エリス、キレる。で、会場に黄金のリンゴを投げ込む。そこに、最も美しい女神へ、と書いてある。
だいすけ
だいすけ
爆弾より性格悪いリンゴwww
ユウマ
ユウマ
ヘラ、アテナ、アプロディテが、これ私のだよねって揉める。美のコンテストが神々の政治問題になる。審判にされたのがトロイアの王子パリス。三女神は賄賂を出す。
ヘラは権力、アテナは勝利と知恵、アプロディテは世界一の美女。パリスはアプロディテを選ぶ。権力と知恵を蹴って女。分かりやすくバカ。
ハル
ハル
選択が軽いのに被害が重すぎる。
ユウマ
ユウマ
アプロディテが約束した美女はヘレネ。スパルタ王メネラオスの妻。つまり人妻。パリスはヘレネを連れてトロイアへ行く。愛なのか、連れ去りなのか、神の力なのか、語りはいろいろある。
でも結果は一つ。夫メネラオスがブチギレる。兄アガメムノンがギリシャ勢をまとめて、トロイアに攻め込む。リンゴから十年戦争。果物の火力じゃない。
神々も割れる。選ばれなかったヘラとアテナはギリシャ側に寄る。選ばれたアプロディテはトロイア側。人間の戦争に、女神の根に持つ力が乗る。
ギリシャ側は最強アキレウス、王アガメムノン、知恵者オデュッセウス。トロイア側は王子ヘクトル、パリス、老王プリアモス。敵味方どっちにも顔があるから、ただの悪者退治にならない。
アキレウスは最強だけどプライドが高い。アガメムノンと揉めて戦線離脱する。ギリシャ側が苦しくなる。
親友パトロクロスがアキレウスの鎧を着て出る。でもヘクトルに討たれる。ここでアキレウスの怒りが爆発して復帰し、ヘクトルを倒す。
あおい
あおい
ヘクトルも国を守ってる側なのがしんどい。
ユウマ
ユウマ
ここ大事。ホメロスの叙事詩イリアスは、十年戦争を最初から最後まで全部流す話じゃない。終盤のアキレウスの怒りを中心に描く。だからイリアスは、戦争年表じゃなくて怒りの物語として読むと筋が通る。
奪われた名誉、親友の死、怒りの復帰、敵の遺体への執着、最後に老王プリアモスが息子の遺体を返してくれと来る。そこで怒りの熱が少し冷める。ここが刺さる。
だいすけ
だいすけ
強いやつの怒りって、周り全部燃えるんだな。
ユウマ
ユウマ
そして有名なトロイの木馬。考えたのはオデュッセウス。ギリシャ軍は撤退したふりをして、巨大な木馬を置く。中には兵士が隠れてる。
トロイア側は戦利品っぽいから城内へ入れる。夜、兵士が出て門を開ける。ギリシャ軍が戻ってきて陥落。十年の戦争が、最後はでかい置き配詐欺で終わる。
だいすけ
だいすけ
巨大な荷物を城に入れるなwww 受け取り拒否しろwww
ユウマ
ユウマ
で、木馬を考えたオデュッセウス。戦争十年、帰り道十年。合計二十年帰れない。ポセイドンの子ポリュペモスの目をつぶして海神の怒りを買う。魔女キルケに仲間を豚にされる。
セイレーンの歌を聞きたくて自分を船に縛らせる。スキュラとカリュブディスの間を通る。カリュプソの島で長く足止め。帰宅が連載漫画。毎回、次こそ家かと思ったら新キャラ登場。
ハル
ハル
帰るだけで十年は長すぎる。会社なら退職してる。
ユウマ
ユウマ
故郷イタケでは妻ペネロペが待ってる。求婚者たちが屋敷に居座って、財産も王位も妻も狙う。ペネロペは、機織りが終わったら再婚を考えるって言って、昼に織って夜にほどく。時間稼ぎのプロ。
二十年越しに帰ったオデュッセウスは身分を隠して入り、自分の弓を引ける者がペネロペを得る流れで、誰も引けない弓を引く。正体が出る。そこから求婚者を倒す。帰宅第一声がただいまじゃなくて粛清。
まとめると、ギリシャ神話は上品な教訓集じゃない。世界はカオスから始まり、父のちんこが切られ、子どもは胃袋に入れられ、ゼウスは変身してセックスし、ヘラは嫉妬で英雄の人生を燃やす。英雄は怪物に勝つけど運命や連絡ミスに負ける。
愛は冥界まで届くけど、振り返った一瞬で消える。美人をめぐる選択は十年戦争になり、勝った男も家に帰るのに十年かかる。
ユウマが最後の一口を飲み干す。
ユウマ
ユウマ
ギリシャ神話は、神様版の昼ドラに、バトル漫画と大河ドラマと最悪の二次会を足したやつ。これだけ覚えたら次の飲み会でだいぶ戦える。

暗記用

これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ

口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。

  1. カオスかおす

    世界が始まる前の、何も整理されていないぐちゃぐちゃ。

  2. オリュンポス十二神おりゅんぽすじゅうにしん

    ギリシャ神話の神々の幹部会。まずこれを言えると強い。

  3. 英雄譚えいゆうたん

    ヘラクレスやペルセウスみたいな、怪物退治と名誉の物語。

  4. トロイア戦争とろいあせんそう

    ギリシャ神話の大炎上イベント。美人コンテストから都市が燃える。

よくある質問

Q. ギリシャ神話とは何?
A. 古代ギリシャで語られた神々と英雄の物語群だよ。世界の始まり、神々の政権交代、ゼウスの女性遍歴、英雄の怪物退治、トロイア戦争までつながってる。
Q. ゼウスはなぜ最高神になった?
A. 父クロノスに飲まれた兄弟姉妹を吐き出させ、ティタンとの戦争に勝ったから。戦後のくじで天を担当し、神々の王になった。
Q. オリュンポス十二神にハデスは入る?
A. 多くの伝承では入らない。ハデスは重要な神だけど、冥界勤務だからオリュンポス山の常駐メンバーとは別枠になりがち。悪役というより地下部署の管理者。
Q. ヘラクレスはなぜ十二の難業をした?
A. ヘラに狂気を送られて妻子を殺してしまい、その罪を償うために難業へ向かった。根っこにはゼウスのセックスとヘラの怒りがある。
Q. トロイア戦争の原因は何?
A. 発端は黄金のリンゴをめぐる女神たちの争い。パリスがアプロディテを選び、ヘレネをトロイアへ連れて行ったことで、メネラオス側が攻め込んだ。
Q. オデュッセウスはなぜ二十年帰れなかった?
A. トロイア戦争が十年続き、帰り道でもポセイドンの怒り、怪物、魔女、女神の足止めを食らったから。戦争十年、帰宅十年の長すぎる出張。

次に読む

もし現代でやったらコンプライアンス違反疑惑度★★★★★

これ神々全員しょっぴける案件

  • 刑法177条同意のない性交等を処罰する規定(不同意性交等)。
  • 刑法190条死体や遺骨などを損壊し、または遺棄する行為に関する規定(死体損壊等)。
  • 刑法199条人を殺した者に科される罪の規定(殺人)。
  • 刑法204条人の身体を傷害した者を処罰する規定(傷害)。
  • 刑法224条未成年者を略取・誘拐する行為に関する規定。
  • 刑法225条営利やわいせつなどの目的で人を略取・誘拐する行為に関する規定。
  • 民法734条一定の近親者の間での婚姻を禁止する規定。

元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。

入試に出た

この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。

  • 英国OCR Aレベル 古典文明(H408/11)The World of the Hero(英雄の世界)

    出典: ホメロス『イリアス』または『オデュッセイア』とウェルギリウス『アエネイス』

    全受験生必修の中核科目として、ホメロスの叙事詩を題材に、英雄が名誉(kleos)をどう求めるか、神々の介入が人間の運命をどう左右するか、名誉と運命と責任のテーマを場面に即して論述させる

    答えの要点:原典の流れに沿って核心を書けば点になる。アキレウスはアガメムノンに名誉(自分の取り分)を奪われて戦線を離れ、親友パトロクロスの死で怒りが爆発してヘクトルを討つ。最後に老王プリアモスが息子の遺体を引き取りに来て、アキレウスの怒りが鎮まる。ここから、英雄が命より重んじる kleos(不滅の名誉)、ゼウスやアテナ、アポロンといった神々の介入が勝敗と運命を動かす点、怒りと憐れみが交わる結末を論じれば、設問の中心を突ける。

  • 英国OCR GCSE 古典文明(J199/21)The Homeric World(ホメロスの世界)

    出典: ホメロス『オデュッセイア』とホメロス社会の文化

    オデュッセウスの物語を軸に、当時の社会、もてなし(客人歓待)の慣習、神々と人間の関係、英雄の人物像などを問う

    答えの要点:正解の核は xenia(客人歓待)の規範。客を手厚く迎えるのが当然とされ、それを破る者(屋敷を食い荒らす求婚者たちや、客を食らう一つ目巨人キュクロプス)は罰される、という価値観を押さえる。あわせて、オデュッセウスを助けるアテナと航海を妨げるポセイドンの対立、知恵(メティス)で難局を切り抜けるオデュッセウス像、二十年も夫を待つ忠実な妻ペネロペを書けば、ホメロス社会の理解として評価される。

  • 国際バカロレア(IBディプロマ)古典語(古典ギリシア語)規定講読テクスト

    出典: ホメロス『オデュッセイア』

    原典(古典ギリシア語)で読む規定テクストの一つにホメロス『オデュッセイア』が指定され、原文の正確な読解と古典文化の理解が評価される

    答えの要点:求められるのは原文の文法と語彙を正確に訳し、文脈を説明する力。叙事詩特有の形式、つまり六歩格(ヘクサメトロス)の韻律、繰り返される決まり文句や枕詞(ぶどう酒色の海、輝く目のアテナのような定型表現)を理解し、その場面が物語全体でどんな意味を持つか、登場人物の心情はどうかを原典に即して説明できれば高い評価になる。

  • 日本の大学入試 世界史(共通テスト・センター試験ほか)世界史

    出典: ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』、トロイア遺跡(シュリーマンの発掘)

    古代ギリシア文化の基本問題として、叙事詩の作者と題材、トロイア遺跡やエーゲ文明の発掘者を問う。『イリアス』『オデュッセイア』の作者を答えさせる、トロイアやミケーネを発掘した人物を選ばせる、といった形で繰り返し出る

    答えの要点:押さえるべき事実は次の通り。『イリアス』『オデュッセイア』は(伝承上)ホメロスの作で、トロイア戦争とその後を歌った口承叙事詩。これを手がかりにシュリーマンがトロイア(ヒッサルリクの丘)やミケーネを発掘した。エーゲ文明は、クレタ島中心のクレタ(ミノア)文明と、ギリシア本土のミケーネ文明に大別される。この作者と題材、発掘者、文明区分の対応を正しく答えれば得点になる。

腕試し(オリジナル問題)

過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。

問1ギリシャ神話には「子に倒されると予言された支配者が、その子を遠ざけようとして、かえって予言を実現させてしまう」型の物語が繰り返し現れる。本文に出てきた例を二つ挙げ、なぜこの型が悲劇を呼ぶのかを自分の言葉で説明せよ。

問2オデュッセウスが故郷イタケに帰り着くまで、合計でおよそ二十年かかった。この二十年を大きく二つの期間に分け、帰路がそれほど長引いた原因を一つ挙げよ。

問3オルフェウスは「地上に出るまで後ろを振り返るな」という条件を破って妻を永遠に失った。死者を取り戻そうと冥界へ赴き、見てはならないという禁忌を破って失う物語の型は、日本神話にもある。日本神話で似た構造を持つ話を一つ挙げ、共通点を述べよ。