第1夜 ギリシャ神話 その2
プロメテウスとパンドラの箱。火の代金は毎日肝臓払い
人類に火をプレゼントした男の給料、毎日肝臓を鷲に食われる刑。しかも肝臓は夜に戻る。翌朝また食われる。文明の始まり、福利厚生がクソ地獄すぎる。
火をくれた先読み兄貴















肝臓、翌朝リセット刑
















全部盛り美女という罠

















希望は救いか、最後の災いか















暗記用
これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ
口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。
プロメテウス(ぷろめてうす)
「先に考える男」。人類に火を渡して、肝臓で払い続けた神。
パンドラの箱(ぱんどらのはこ)
開けたら戻せない災いの詰め合わせ。世界共通の慣用句。
エピメテウス(えぴめてうす)
「後から考える男」。兄の忠告を無視して贈り物を受け取る弟。
エルピス(希望)(えるぴす)
壺の底に残った最後の一つ。救いか災いか、今も議論が続く。
よくある質問
- Q. パンドラの箱とは何か
- A. ギリシャ神話でパンドラが開けた容器のこと。中から病気や苦労などの災いが飛び出し、希望だけが残った。古い話では箱ではなく壺だった。
- Q. プロメテウスの火とは何か
- A. プロメテウスがゼウスから盗んで人類に与えた火のこと。料理、鍛冶、明かりなど文明の始まりを象徴する。
- Q. なぜプロメテウスは罰を受けたのか
- A. ゼウスをだまして供物の分け方を人間有利にし、さらに火を盗んで人類に渡したから。罰として山に縛られ、毎日鷲に肝臓を食われた。
- Q. パンドラの箱に希望が残った意味は何か
- A. 希望が残ったから人間は苦しみに耐えられるという読みと、希望も苦しみを長引かせる災いだという読みがある。どちらにも取れるのが面白い。
- Q. パンドラの箱はなぜ箱と言われるのか
- A. 原典ではピトスという大きな壺だったが、後世の翻訳で箱として広まり、そのまま慣用句になった。
次に読む
盗んだ側より罰した側の方が重い
- 刑法130条正当な理由なく他人の住居や建物に侵入する行為などに関する規定(住居侵入等)。
- 刑法204条人の身体を傷害した者を処罰する規定(傷害)。
- 刑法220条不法に人を捕らえ、または閉じ込める行為に関する規定(逮捕監禁)。
- 刑法235条他人の財物を盗み取る行為に関する規定(窃盗)。
- 鳥獣保護管理法鳥獣の保護・管理と狩猟の適正化を図る法律。
元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。
入試に出た
この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。
- 英国OCR GCSE 古典文明(J199/12)Women in the Ancient World(古代世界の女性)
出典: ヘシオドス『神統記』『仕事と日』のパンドラ神話
パンドラが神話の中でどんな女性像として描かれているか、その否定的な性格づけは誰が作ったものかを、資料に基づいて論じさせる(知識と分析の配点に分かれた論述)
答えの要点:核はパンドラの成り立ち。プロメテウスが火を盗んだことへの、人類側への罰としてゼウスが命じて作らせた「最初の女」で、名前は「すべての贈り物」の意。美しさや話術と一緒に、欺く心まであらかじめ神々に仕込まれている。つまり災いを開けてしまう性質は本人の落ち度ではなく神々の設計で、壺(後世は箱)を開けて災いが世界に出て、希望だけが残った。ヘシオドスがこの神話で女性を災いの起源として描いた、という視点まで書ければ論述の骨格になる。
- 大学入試センター試験 世界史B2005ほか世界史
出典: ヘシオドス『労働と日々(仕事と日)』『神統記』
古代ギリシア文化の基本問題として、叙事詩人ヘシオドスと作品の対応が繰り返し問われる。『労働と日々』『神統記』の作者と内容を正しく結びつけられるかの定番出題
答えの要点:ヘシオドス(前700年ごろ)の代表作は2つ。『神統記』はカオスから始まる神々の系譜を整理した詩で、プロメテウスの火盗みもここに歌われる。『労働と日々』は勤勉な労働を称える教訓詩で、パンドラの物語や「五時代」の説話を含む。ホメロス(『イリアス』『オデュッセイア』=英雄の叙事詩)との区別、つまり「ホメロスが英雄、ヘシオドスが神々の系譜と労働」という対応を押さえれば正解できる。
腕試し(オリジナル問題)
過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。
問1プロメテウスとエピメテウスの名はそれぞれ「先に考える者」「後から考える者」を意味する。この名前の対比が、パンドラをめぐる物語の展開でどう効いているか説明せよ。
問2「パンドラの箱」は原典では箱ではない。原典で災いが入っていた容器は何か。また容器の底に最後に残ったものは何で、それをめぐってどんな解釈の対立があるか。
問3ゼウスがプロメテウスに科した刑罰の内容を述べ、その刑罰が「終わらない」仕組みを説明せよ。また彼を解放した英雄は誰か。