第1夜 ギリシャ神話 その3

オリュンポス十二神を、職場の組織図みたいに紹介する

オリュンポス十二神、神聖な山かと思ったら、不老不死でクビにならない不祥事役員たちの永久飲み会なんよ。

オリュンポス十二神はどんな会社組織なのか

ユウマ
ユウマ
乾杯前に言うけど、これ清らかな神様名鑑じゃないからな。権力、嫉妬、セックス、血筋、復讐、のし上がりたい欲が山盛りで、不老不死だから炎上しても席に座ったまま消えない。
オリュンポス、神聖な山じゃなくて終わらない役員飲み会なのよ。
だいすけ
だいすけ
最悪の永久雇用じゃんwww
ユウマ
ユウマ
根っこは三兄弟。ゼウス、ポセイドン、ハデスが父世代のクロノスたちを倒して、世界をくじで三分割する。ゼウスは空と雷、ポセイドンは海と地震、ハデスは死者の世界。
ここでハデスを悪魔扱いするのは違う。あいつは死亡後の受付を一人で回す激重部署の管理職。怖い顔の窓口だけど、仕事量は全神トップ級。
あおい
あおい
死者受付、客が減らないの普通に地獄(笑)
ユウマ
ユウマ
しかもハデスは三兄弟の一人で超重要なのに、山の上の十二神の席には入らない版が多い。理由はシンプルで、勤務地が地下だから。
十二神は全宇宙の名簿じゃなくて、山の上に常駐してる本社メンバー表に近い。地下支社の責任者は別枠、でもめちゃくちゃ偉い。
ハル
ハル
地下支社って言うと急に労務が重いな。
全員がグラスを持ったまま固まる。
ユウマ
ユウマ
つまりオリュンポスは神の山じゃない。不祥事の山。

ゼウスと主要役員は何を担当しているのか

ユウマ
ユウマ
まずゼウス。空、雷、王の力、秩序担当。肩書きだけなら完璧。でもセックス案件が多すぎる。
神にも人間にも手を出して、子どもが神になったり英雄になったりして、人事表がぐちゃぐちゃ。才能と家庭崩壊が同じ量ある。雷、空だけじゃなくて家庭にも落ちてる。
だいすけ
だいすけ
社長が一番研修必要なの終わってる(笑)
ユウマ
ユウマ
その正妻がヘラ。結婚、出産、家庭の女神。ここが皮肉の化け物でさ、結婚の女神の旦那がゼウスなんよ。
そりゃブチ切れるわ。ヘラは相手の女にも、生まれた子にも、政治力込みで圧をかける。家庭を守る神が、家庭を壊す旦那の後始末でずっと燃えてる。
あおい
あおい
設定盛りすぎでしょwww
ユウマ
ユウマ
ポセイドンは海と地震と馬。機嫌がいいと海の恵み、キレると船が沈む。しかもゼウスの兄弟だから社長にも口を出せる。現場の荒ぶる重役。飲み会なら声だけで皿が揺れるタイプ。
デメテルは農業と穀物。地味に見えるけど食料部門だから止まった瞬間みんな終わり。娘ペルセポネがハデスの冥界に行く話で、デメテルが悲しむと大地が実らなくなる。
母のメンタルで世界の米と麦が止まる。これが季節の始まりとして語られるの、神話って母の怒りをインフラに直結させるから強い。
だいすけが枝豆の皿をそっと引き寄せる。
ユウマ
ユウマ
空、結婚、海、食料。この四人だけで株主総会が殴り合い寸前。初期配置が攻めすぎ。

アテナ、アポロン、アルテミスは何がすごいのか

ユウマ
ユウマ
ここから精鋭部署。まずアテナ。知恵、戦略、技術、都市を守る力。で、出社の仕方が異常。ゼウスが知恵の女神メティスを飲み込む。そしたら頭が割れるほど痛い。で、こいつ次に何したと思う?
だいすけ
だいすけ
病院行く。
あおい
あおい
早退の連絡入れる。
ハル
ハル
冷えピタ貼って寝る。
ユウマが箸を頭に当てる。
ユウマ
ユウマ
頭から鎧のアテナがガシャン。赤ちゃんじゃない。即戦力。社長の頭からフル装備の戦略担当が出てくるの、採用経路がバグってるwwww
アテナの戦争はアレスみたいな殴り合いじゃない。勝ち筋を読む戦争。都市を守る、技術を使う、段取りを組む。酔ってても会計、終電、忘れ物、二次会人数を全部さばくやつが、普通に強い感じ。
次が双子のアポロンとアルテミス。父はゼウス、母はレト。アポロンは予言、音楽、弓、医術、疫病まで持つ。デルポイって場所の神のお告げもアポロンが太い。
太陽のイメージは後で強くなるけど、最初から大事なのは予言と音楽。相談窓口とライブ担当と医療と病気のスイッチを一人で持ってる。盛りすぎなのに本当にできるから腹立つ。
だいすけ
だいすけ
万能イケメン、飲み会に一人いると全員の心折れるやつ。
ユウマ
ユウマ
アルテミスは狩り、野生、月、処女性の女神。処女性って固く聞こえるけど、自分の体と距離感を勝手に触らせないルールだと思えば一発で分かる。森の中で弓を持ってる治安部隊長。
距離を詰めるやつに優しくない。ゼウスの子ども人事、たまにガチで強いのが出るからややこしい。

アレス、アフロディテ、ヘパイストス、ヘルメスはどんなクセ者なのか

ユウマ
ユウマ
ここから空気が一気に生臭くなる。アレスは戦争の神。でもアテナが作戦会議なら、アレスは机を蹴って乱闘にする戦争。
血、怒号、殴り合い。強いけど好感度は低い。呼べば相手を黙らせるけど、ついでに会議室も壊す暴力部長。
あおい
あおい
勝っても場が死ぬ人じゃんwww
ユウマ
ユウマ
で、アフロディテ。愛、美、性。ここはぼかさない。セックスと欲望の本部長。生まれ方もえぐい版があって、クロノスが父ウラノスのちんこを切って海に投げる。
その泡から生まれるのがアフロディテ。別の話だとゼウスとディオネの娘。どっちにしても、きれいな恋愛相談室じゃない。欲しくなったら判断が死ぬ力そのもの。
だいすけ
だいすけ
愛って言葉で包める温度じゃないな(笑)
ユウマ
ユウマ
その夫がヘパイストス。鍛冶と火の職人神で、足が不自由な神として語られることが多い。でも技術は神レベル。武器も宮殿も作れる。
で、妻アフロディテがアレスとこっそりセックスする。ヘパイストスは殴らない。職人だから、超精巧な網を作って二人を現場で捕まえる。
で、こいつ次に何したと思う?
あおい
あおい
離婚届?
だいすけ
だいすけ
アレスの玉を網ごと締める?
ハル
ハル
網を商品化して通販。
卓の空気が一瞬だけ無音になる。
ユウマ
ユウマ
神々の前で生中継。現場を全員に晒す。
技術部の復讐が一番えぐいwwww しかもこの話、ホメロスの長い物語詩オデュッセイアの中で、歌う人が語る有名な小話として出てくる。昔の人、神の不倫晒しで普通に盛り上がってる。
最後にヘルメス。伝令、商売、旅人、泥棒、境界、死者の案内までやる爆速の何でも屋。赤ちゃんの時点でアポロンの牛を盗む。初手から窃盗。
でも社長室、裏口、旅先、死者の道まで全部つなぐから必要不可欠。恋愛と不正の証拠はだいたい職人と伝令が握ってる。領収書もヘルメスが消す。

ヘスティアとディオニュソスはなぜ入れ替わるのか

ユウマ
ユウマ
最後の一席がまた揺れる。十二神って完全固定の名簿じゃなくて、地域とか語り手で席が動く枠組みなんよ。ヘスティアが入る版もあるし、ディオニュソスが入る版もある。
ヘスティアは炉、かまど、家庭の火。地味だけど生活の心臓。家の火が消えたら飯もぬくもりも帰る場所も終わる。
あの燃える役員会の中で唯一の正気。静かだけど、全員が最後に戻る場所を守ってる。
あおい
あおい
急にまともな人来た。酒が進むほどありがたい(笑)
ユウマ
ユウマ
そこに入ってくるのがディオニュソス。酒、酔ってトランス状態、ぶどう、演劇、熱狂。幹事みたいな顔してるけど、理性のブレーキを外す危険なイベント責任者。
父はゼウス、母は人間のセメレ。セメレはゼウスの本当の姿を見て焼け死ぬ。ゼウスの恋愛、毎回被害が自然災害。
だいすけ
だいすけ
付き合うだけで災害認定なのきついな。
ユウマ
ユウマ
で、胎内の子をゼウスが助ける。普通なら保育器とか思うじゃん。神話は自分の腿に縫い込む。太もも育児。そこから生まれるのがディオニュソス。出生届の時点で酔ってる。
ハル
ハル
太もも育児、言葉が強すぎて授業で使えない。
ユウマ
ユウマ
ヘスティアが席を譲ってディオニュソスが入る版もある。つまり最後の席は、静かな家庭の火を置くか、酒と熱狂を置くかの勝負。家に帰る火も必要。
正気を少し外す酒も必要。オリュンポス、そこまで人間を分かってる。
誰かのグラスの氷がカランと鳴る。
ユウマ
ユウマ
名簿を読むぞ。ゼウス、ヘラ、ポセイドン、デメテル、アテナ、アポロン、アルテミス、アレス、アフロディテ、ヘパイストス、ヘルメス、最後にヘスティアかディオニュソス。これ神々の紹介じゃない。
人間社会の欲望の座席表。権力があり、家庭が荒れ、飯が必要で、戦争が起き、恋とセックスで判断が狂い、技術者が証拠を作り、伝令が噂を運び、最後は家の火か酒で締める。
はい決まり。オリュンポス十二神は、世界で一番長く続いてる飲み会の席順表。幹事はたぶんディオニュソス。領収書はヘルメスが消す。

暗記用

これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ

口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。

  1. オリュンポスおりゅんぽす

    神々の本社ビルみたいな山。会話で出せると一気に神話っぽい。

  2. ゼウスぜうす

    神々の王。権力と雷と女性問題を全部持っている男。

  3. アテナあてな

    知恵と戦略の女神。脳筋ではなく勝ち筋を読むタイプ。

  4. アフロディテあふろでぃて

    愛と美の女神。出てくるだけでだいたい人間関係が荒れる。

よくある質問

Q. オリュンポス十二神って何?
A. ギリシャ神話で、オリュンポス山の中心メンバーとして語られる神々のセット。空、海、結婚、食料、知恵、戦争、愛、技術、伝令、炉か酒まで担当してる。神聖というより、欲望むき出しの役員飲み会。
Q. ハデスはなんで十二神に入らないことが多いの?
A. 冥界勤務で山の上に常駐してないから。ゼウス、ポセイドンと並ぶ三兄弟で超重要だけど、席の場所が違う。悪魔じゃなくて、死者の世界を回す地下支社の管理職って感じ。
Q. アテナがゼウスの頭から出たって本気?
A. 本気。ゼウスが知恵の女神メティスを飲み込んだあと、頭から鎧姿のアテナが出てくる。赤ちゃんじゃなくて即戦力。神話の採用経路、普通にバグってる。
Q. ヘスティアとディオニュソスはどっちが十二神?
A. どっちも版がある。ヘスティアは家庭の火、ディオニュソスは酒と熱狂。十二神は固定名簿というより、地域や語り手で席が動く枠組み。最後の一席が静かな火か酒かで、飲み会の空気が全部変わる。

次に読む

もし現代でやったらコンプライアンス違反疑惑度★★★★★

役員フロア、全員前科持ち

  • 刑法177条同意のない性交等を処罰する規定(不同意性交等)。
  • 刑法199条人を殺した者に科される罪の規定(殺人)。
  • 刑法203条殺人など一定の罪について、未遂の段階でも処罰しうることを定める規定。
  • 刑法204条人の身体を傷害した者を処罰する規定(傷害)。
  • 刑法220条不法に人を捕らえ、または閉じ込める行為に関する規定(逮捕監禁)。
  • 刑法224条未成年者を略取・誘拐する行為に関する規定。
  • 民法709条故意または過失によって他人の権利を侵害した者に損害賠償責任を負わせる規定(不法行為)。
  • 民法734条一定の近親者の間での婚姻を禁止する規定。

元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。

入試に出た

この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。

  • OCR Aレベル 古典文明(イギリス、Classical Civilisation H408)必修科目「The World of the Hero(英雄の世界)」

    出典: ホメロス『オデュッセイア』(または『イリアス』)とウェルギリウス『アエネイス』

    ホメロスの叙事詩を翻訳で精読する必修部門(科目全体の40パーセントを占める柱)。アテナ、ポセイドン、ゼウスら十二神が物語に介入する場面を引きながら、神々が英雄をどう助けまた妨げるか、神々と人間の関係をどう描いているかを論じさせる

    答えの要点:答えの核心は、ギリシアの神々が物語を動かす装置として働き、しかも人間くさい感情で動く点を、場面に即して示すこと。ポセイドンは自分の子の巨人ポリュフェモスを主人公オデュッセウスに目をつぶされた恨みから、海を荒らして帰郷を妨げる神として書く。アテナは知恵と戦略の女神として主人公を導き、変装させ、助言を与える守護者として書く。ゼウスは神々の会議を主宰し、運命と正義の釣り合いを取る調停役として位置づける。さらに英雄の名誉(クレオス)を求める生き方や、客をもてなす掟(クセニア)を守るかどうかが、神々の賞罰の基準として物語を貫いていること、神々が完璧な超越者ではなく嫉妬や好悪で動くことを、具体的な場面を一つ二つ挙げて論じれば得点になる

  • OCR GCSE 古典文明(イギリス、Classical Civilisation J199)「Myth and Religion(神話と宗教)」部門

    出典: 『デメテル賛歌(ホメロス風賛歌)』のデメテルとペルセポネの物語

    指定原典として、ハデスにさらわれた娘ペルセポネと、嘆く母デメテルが大地の実りを止める話が読まれる。冥界への旅、季節が生まれた由来、農業の女神の感情と大地の実りの結びつきを読み取らせる

    答えの要点:答えるべき筋は次の通り。冥界の王ハデスが、農業と穀物の女神デメテルの娘ペルセポネをさらって妻にする。娘を失ったデメテルは嘆き悲しみ、大地を実らせるのをやめてしまうので、作物が枯れて人間も神への供え物も絶える。困ったゼウスが仲裁し、ペルセポネを地上へ返させるが、ペルセポネは冥界でザクロの実を口にしてしまっていたため、一年のうち一定の期間は冥界でハデスとともに過ごし、残りを地上で母と過ごすことになる。娘が冥界にいる間はデメテルが嘆いて大地が枯れ(冬)、地上に戻ると実りが回復する。これが季節がめぐる由来として語られる、と説明できれば核心を押さえている。女神の感情がそのまま大地の豊作と不作に直結する点、この物語がエレウシスの秘儀という宗教儀礼の由来にも結びつく点に触れるとなお良い

  • 日本の大学入試 倫理・共通テスト(源流思想)倫理(古代ギリシアの思想)

    出典: ホメロスの叙事詩に代表される神話的世界観(ミュトス)

    神々の物語(ミュトス)で世界を説明する見方から、理性(ロゴス)によって万物の根源(アルケー)を探る自然哲学への転換を問う。ホメロスの叙事詩は、その前段階にあたる神話的世界観の代表として位置づけられ、両者の違いを選ばせる正誤問題などで出る

    答えの要点:押さえるべき対比は、ミュトスからロゴスへの転換。ホメロスの叙事詩のように、世界の出来事を神々の意志や物語(ミュトス)で説明する見方から、タレスをはじめとするイオニアの自然哲学者が、神話に頼らず理性(ロゴス)で万物の根源(アルケー)を求める見方へ移った、という流れを言えれば正解できる。タレスは万物の根源を水とし、観察と論理で世界を説明しようとした最初の哲学者とされる、という具体例を添えるとよい。神話的世界観が誤りで哲学が正しい、という単純な優劣ではなく、説明の仕方が物語から理性へ変わった点が要点。ホメロスはあくまで転換以前の神話的世界観の代表として置かれる、と整理する

  • 日本の大学入試 世界史(ギリシア文化)世界史(古代ギリシア)

    出典: ホメロス『イリアス』『オデュッセイア』、ギリシア神話とローマ神話の神名対応

    叙事詩の作者と作品の正しい組み合わせ、人間くさい神々を持つ多神教というギリシア文化の特徴、ゼウスとユピテルのようなギリシア神とローマ神の対応関係を、正誤問題や記述で問う

    答えの要点:正解に必要な知識は三点。第一に作者と作品で、ホメロスが『イリアス』と『オデュッセイア』、ヘシオドスが神々の系譜を語る『神統記』と農事や教訓を説く『労働と日々』を残した、と組み合わせられること。第二にギリシア宗教の特徴として、多神教であり、神々が人間と同じ姿(人間の形をとる神々)を持ち、嫉妬や恋愛など人間くさい感情で動く点を挙げられること。第三にギリシア神とローマ神の対応で、ゼウスとユピテル(ジュピター)、ポセイドンとネプトゥヌス、アテナとミネルウァ、アフロディテとウェヌス(ヴィーナス)、アレスとマルス、アルテミスとディアナ、ヘルメスとメルクリウスが対応する、と答えられれば取れる

腕試し(オリジナル問題)

過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。

問1オリュンポス十二神の一覧は、最後の一席にヘスティアを置く版と、ディオニュソスを置く版で揺れることが知られている。(1)ヘスティアとディオニュソスがそれぞれ何を司る神かを述べ、(2)この入れ替わりが十二神という枠組みの性格について何を示しているかを、簡潔に説明せよ。

問2アテナとアフロディテは、どちらも通常の出産とは異なる誕生をしたと語られることがある。両者の代表的な誕生の由来をそれぞれ述べ、二つの誕生の語り方の対比を一言でまとめよ。

問3ヘパイストスが、妻アフロディテとアレスの密通を見破り、精巧な網で二人を寝床ごと捕らえて神々の前にさらしたという挿話は、叙事詩『オデュッセイア』の中で吟遊詩人が歌う物語として登場する。この挿話が、オリュンポスの神々の描かれ方についてどのような特徴を示しているかを説明せよ。