第5夜 日本神話(古事記) その8
ヤマトタケル、強すぎて父に遠ざけられた最強の悲劇
ヤマトタケルは強すぎた。兄を素手で殺し、女装して敵の宴に潜り、草薙剣で野火を返す。家族会議に置いたら全員の背筋が凍るレベル。でも最後は父に愛されたかった男として、白鳥になって家へ帰ろうとする。怖いし強いし、クソ寂しい英雄なんよ。
兄を素手で殺して父に引かれる
















女装して宴に潜り込む
















草薙剣で野火を返す
















白鳥になって帰ろうとする

















暗記用
これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ
口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。
ヤマトタケル(やまとたける)
女装暗殺から始まる日本神話最大の悲劇のヒーロー。
吾妻はや(あづまはや)
海に消えた妻を想った一言。東(あづま)の語源とも。
まほろば(まほろば)
「大和は国のまほろば」。故郷を想う望郷の歌の言葉。
白鳥伝説(はくちょうでんせつ)
死んだヤマトタケルが白鳥になって飛んでいった結末。
よくある質問
- Q. ヤマトタケルとは誰か?
- A. 景行天皇の子で、古事記に出る代表的な英雄だ。兄を殺し、クマソを女装暗殺し、東国遠征で草薙剣を使う。
- Q. 日本武尊とヤマトタケルは同じか?
- A. 一般に同じ英雄を指す表記だ。古事記では倭建命などと書かれ、日本書紀では日本武尊の表記がよく知られる。
- Q. ヤマトタケルはなぜ女装した?
- A. クマソタケルの宴に潜入するためだ。美しい少女のように装い、敵が油断したところを懐の剣で討った。
- Q. 草薙剣はヤマトタケルとどう関係する?
- A. 伊勢のヤマトヒメから渡され、野火に囲まれた時に草を薙いで火を返す場面で活躍する。もとはスサノオがオロチから得た剣だ。
- Q. ヤマトタケルは最後どうなる?
- A. 伊吹山の神を軽く見て敗れ、病んで大和へ帰ろうとする途中で死ぬ。その後、白鳥になって飛び去ったと語られる。
次に読む
武勇伝の全行程に警察が同行すべき皇子
- 刑法110条
- 刑法130条正当な理由なく他人の住居や建物に侵入する行為などに関する規定(住居侵入等)。
- 刑法190条死体や遺骨などを損壊し、または遺棄する行為に関する規定(死体損壊等)。
- 刑法199条人を殺した者に科される罪の規定(殺人)。
- 銃刀法
元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。
入試に出た
この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。
- センター試験 日本史B2019日本史B
出典: 第1問「地名とその土地の歴史」問1(『風土記』の判別)
地名とその土地の歴史をテーマにした大問で、「諸国の地理や産物などをまとめた書物」がどれかを判別させる問題が出た(『万葉集』との組み合わせ正誤)。
答えの要点:答えは『風土記』。713年に元明天皇の命で諸国に作らせた地誌で、郡や郷の「地名の由来」・地形・産物・伝承を報告させたもの。ほぼ完全に残る出雲のほか常陸・播磨・豊後・肥前が現存(五風土記)。ヤマトタケルの「焼津」(火をつけられて焼き払った)や「あづま」(吾妻はや)のような地名起源の伝説は、まさに記紀・風土記が地名の由来を語る典型で、この知識とセットで覚えると正解できる。『万葉集』(759年頃までの約4500首の歌集)との区別が問われる。
- センター試験 日本史B2020日本史B
出典: 第1問 問6(津田左右吉『古事記及び日本書紀の新研究』1919年の史料読解)
歴史学者・津田左右吉の著作『古事記及び日本書紀の新研究』(1919年)が初見史料として出され、注をヒントに読解させる問題が出た。
答えの要点:津田左右吉は、古事記・日本書紀の神話やヤマトタケルのような伝説を「歴史的事実の記録ではなく、皇室による支配を正当化するために構成された物語」と科学的に分析した戦前の歴史学者。この記紀批判が皇室の尊厳を傷つけるとされ、1940年に著書が発禁処分になった(思想弾圧の代表例として日本史頻出)。「記紀の神話・英雄伝説=そのままの史実ではなく、編纂意図を持って作られたテキスト」という視点を知っていれば史料も読解できる。
腕試し(オリジナル問題)
過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。
問1ヤマトタケル(小碓命)が「タケル」の名を得た経緯を説明せよ。
問2「焼津」と「あづま(東)」の地名の由来を、ヤマトタケルの東征のエピソードに即して説明せよ。