第5夜 日本神話(古事記) その7
海幸彦と山幸彦、釣り針一本で兄弟仲が沈む
兄の釣り針をなくした弟は、千本作って謝っても許されない。困り果てて海の宮殿へ行き、姫と三年暮らし、最後は潮を操る玉で兄を溺れさせる。釣り針一本の弁償から、兄弟関係が海に沈む。
兄の釣り針をなくす
















海の宮で姫と三年暮らす
















潮の玉で兄を屈服させる
















出産を見るな、でも見る
















暗記用
これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ
口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。
海幸彦と山幸彦(うみさちひことやまさちひこ)
釣り針一本で仲が壊れた兄弟。浦島太郎の原型っぽい話。
トヨタマビメ(とよたまびめ)
海の神の娘。出産を覗かれて海へ帰った、神武天皇の祖母。
潮盈珠と潮乾珠(しおみつたまとしおふるたま)
潮を自在に操る2つの玉。兄を屈服させた最終兵器。
隼人(はやと)
屈服した海幸彦の子孫とされる南九州の人々。
よくある質問
- Q. 海幸彦と山幸彦とは誰か?
- A. ニニギとコノハナサクヤヒメの子の兄弟だ。兄の海幸彦は海の幸を取り、弟の山幸彦は山の幸を取る。
- Q. 山幸彦はなぜ海の宮へ行く?
- A. 兄の海幸彦から借りた釣り針をなくし、返せなくなったためだ。シオツチの助けで海神ワタツミの宮へ向かう。
- Q. トヨタマビメとは誰か?
- A. 海神ワタツミの娘で、山幸彦の妻になる女神だ。出産時に本来の姿である巨大なワニ、またはサメの姿を見られ、海へ帰る。
- Q. 潮満つ玉と潮干る玉とは何か?
- A. 潮を満たす玉と引かせる玉だ。山幸彦はこれを使い、兄の海幸彦を溺れさせて屈服させる。
- Q. 海幸山幸は浦島太郎と関係がある?
- A. 海の宮へ行き、海神の娘と暮らす構図が浦島太郎の原型のようだと言われることがある。ただし物語の筋は別物だ。
次に読む
借り物トラブルの解決手段が水責めなのよ
- 刑法208条人に暴行を加えたが傷害には至らなかった場合に関する規定(暴行)。
- 刑法223条暴行や脅迫を用いて、義務のないことを行わせるなどの行為に関する規定(強要)。
- 軽犯罪法社会生活上の軽微な秩序違反行為を取り締まる法律。
- 民法709条故意または過失によって他人の権利を侵害した者に損害賠償責任を負わせる規定(不法行為)。
元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。
入試に出た
この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。
- センター試験 日本史B2010日本史B
出典: 『古事記』の成立過程(正誤判定)
古代の歴史書の成立について、『古事記』がどのように作られたかを正誤判定させる選択肢が出た(稗田阿礼と太安万侶の役割の組み合わせ)。
答えの要点:『古事記』は712年成立の現存最古の歴史書。天武天皇が稗田阿礼(ひえだのあれ)に神話・伝承・系譜を「誦習」(暗誦)させ、のち元明天皇の命で太安万侶(おおのやすまろ)がそれを筆録して712年に献上した、という流れを押さえれば正解できる。「稗田阿礼が読み習わせていた神話や伝承を太安万侶が筆録して完成させた」が正しい記述。日本書紀(720年・舎人親王ら・漢文編年体の正史)との区別も定番の引っかけ。海幸山幸の日向神話はこの『古事記』上巻に載る話。
腕試し(オリジナル問題)
過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。
問1山幸彦が兄・海幸彦を屈服させるために使った2つの玉の名前と働きを述べよ。
問2トヨタマビメの出産の場面を「見るなのタブー」の観点から説明し、生まれた子と天皇家の関係を述べよ。