第3夜 徒然草 その7

友とするにわろき者。兼好の辛口・友達論

友達論だと思って開いたら、兼好法師がいきなり「友達にしたら危ないやつ七連発」始めてくる。優しいとか趣味合うとか一切見ない。こいつといると生活が壊れるか、そこだけ見てる。友情ポエムかと思ったら、クソ危険な人間関係の避難訓練www

友達論の開幕が危険人物リスト

コウキ
コウキ
聞いて。徒然草の第117段、今で言う117話目みたいな章番号なんだけど、そこで兼好法師がいきなり友達にしたら危ないやつ七種類いるって言い出す。普通さ、友達論って言われたら、支え合いとか、心のつながりとか、夕焼けの河川敷みたいなの想像するじゃん。
違う。兼好、開幕から人間を仕分ける。友達候補を笑顔で解体していく。
ひなの
ひなの
初手から怖いwww
コウキ
コウキ
ラインナップもえぐい。身分が高すぎる人、若すぎる人、体が強すぎる人、酒好き、すぐ戦う武人、嘘つき、欲深い人。初対面で友達こんな仕分ける奴おる?www でも兼好の基準は冷たいだけじゃないんよ。優しいか、話が合うか、インスタの返信が早いか、そこじゃない。
こいつと一緒にいると生活が壊れるか、金が溶けるか、心が変になるか。そこだけ見てる。優しさより先に、そいつのクソ被害額を見てる。
ヒロシ
ヒロシ
友情の見る場所が怖すぎるやろwww
コウキ
コウキ
兼好法師って、鎌倉時代の終わりから南北朝のころに生きた出家者。ざっくり言うと、世の中がゴタゴタしてる時代に、俗っぽい人間の見栄とか欲とか油断を、めちゃくちゃ冷えた目で見て徒然草を書いた人。
だから友達も、いい人そうとかじゃなくて、近くに置いたらこっちの暮らしが荒れるかで見る。
グラスの氷が小さく鳴る。
コウキ
コウキ
要するに第117段は、仲良しこよしの話じゃない。友情ポエムだと思ったら人間関係の避難訓練www まず危ない友を避けろ。話はそこから。

高すぎる人、若すぎる人、強すぎる人

コウキ
コウキ
まず一人目、身分が高すぎる人。普通ならいいじゃん、人脈じゃん、隣にいるだけで自分まで格上がった気するじゃん。でも友達って、しょうもない話を横並びでできてなんぼなのよ。
相手が高すぎると、焼き鳥行くだけで正装したくなる。串の持ち方まで気になる。休まらん。
しずく
しずく
焼き鳥で緊張するのしんどいwww
コウキ
コウキ
二人目、若い人。これだけ聞くと、若さに何の罪があんのってなるじゃん。もちろん若いだけで悪いって話じゃない。兼好が怖がってるのは、若さの勢い、欲、見栄がセットで来るところ。
今から海行こ、今から告ろ、今からバイト辞めよ、今から謎の投資しよ。全部、今のテンションで人生のハンドル切る。横にいると巻き込まれる。
ひなの
ひなの
勢いだけで予定組むやついるwww
コウキ
コウキ
三人目、病気知らずで体が強い人。これも普通なら最高じゃん。でも弱った経験がない人って、他人の弱さに鈍いことがある。熱あるって言ったら、汗かけば治る。
胃が痛いって言ったら、肉食えば元気出る。失恋したって言ったら、とりあえずダンベル持て。優しさが全部トレーニングメニューなんよ。
ヒロシ
ヒロシ
心折れてる時に筋トレ渡すなwww
コウキ
コウキ
身分差で縮こまり、若さで焦らされ、体力差で置いていかれる。兼好は好き嫌いで切ってない。横に座った瞬間、こっちの呼吸が乱れる奴を外してる。

酒好き、武人、嘘つきは場を壊す

コウキ
コウキ
四人目、酒を好む人。七百年くらい前の兼好が、もう終電を逃す人類を見抜いてる。ちょっと一杯が朝五時。
大事な相談が、三杯目から急に昔の自慢話。水飲めって言ったら、水みたいな酒だから大丈夫って言う。いや水に謝れ。
ヒロシ
ヒロシ
水みたいな酒って言うやつほど床で寝るwww
コウキ
コウキ
五人目、血気盛んな武人。昔の武士って聞くとかっこいいけど、友達枠に入れると危ない。現代で言うと、すぐ勝ち負けにするやつ。
店員さんにだけ強い。後輩にだけ強い。弱そうな相手の前だけ声が太くなる。
ひなの
ひなの
飲み会に連れてきたくないタイプだwww
コウキ
コウキ
で、こいつ次に何したと思う?こっちは普通に飯食ってる。隣の席の人がちょっと肩ぶつかった。さあ来るぞ。
ヒロシ
ヒロシ
まず睨むな。
ひなの
ひなの
急に先輩風?
しずく
しずく
俺の連れに何してんだ、かな。
コウキが箸を置く。
コウキ
コウキ
全部やる。しかも頼んでないのに、お前のために言ってる顔でやるwww こっちは飯を平和に食いたいだけなのに、横で勝手に揉め事を始める。友達じゃない。持ち歩きトラブル。
六人目、嘘つき。これ地味に削られる。今日行けないは本当か、金返すは本当か、あの人が言ってたは本当か。
会話するたびに、こっちがいちいち裏取りさせられる。友達と喋ってるはずなのに、心だけ事務作業。
しずく
しずく
それ疲れるわ。信用できない会話って重い。
コウキ
コウキ
酒で時間を溶かす奴、怒りで場を荒らす奴、嘘で言葉を汚す奴。兼好は性格診断じゃなく、被害届ベースで友達を見てる。そこが怖いし、そこが当たってる。

ラスボスは欲深い人

コウキ
コウキ
七人目、欲深い人。これを最後に置くのがうまい。悪い友のトリが欲深い人って、もう兼好の結論が出てる。人間関係を道具にする奴が、一番友達に向かない。
ひなの
ひなの
ラスボス感ある。
コウキ
コウキ
欲深い人の怖さって、最初は超いい人の顔で来るところなんよ。いきなり財布を取らない。先に肩を組む。
仲間じゃん、紹介するよ、今度一緒にやろうよって来る。で、ちょっと名前貸して、ちょっと紹介して、ちょっと立て替えて、ちょっと投稿して。ちょっとが積もって、気づいたらこっちだけ疲れてる。
ヒロシ
ヒロシ
ちょっとの顔して全然ちょっとちゃうやつなwww
コウキ
コウキ
で、断ったら何したと思う?紹介できないって言ったら。立て替えは無理って言ったら。
ひなの
ひなの
急に黙る?
ヒロシ
ヒロシ
前おごったやろって言いそう。
しずく
しずく
友情を持ち出してきそう。
ひなのがもう笑う準備をしている。
コウキ
コウキ
全部当たり。急に被害者ヅラで、俺たち友達だと思ってたのに、って言うwww 友達を請求書にすな。友情って紙で金玉包んで請求してくんな。
ヒロシ
ヒロシ
最悪の包装やんけwww
コウキ
コウキ
身分高すぎで気疲れ、若すぎで巻き込み、強すぎで置き去り、酒好きで朝五時、武人で揉め事、嘘つきで裏取り、最後に欲深い奴で財布と人脈を吸われる。七人そろったら友情じゃない。
生活が削られる定期便。

よき友三つが現金すぎる

コウキ
コウキ
ここまで悪い友を七連発したら、じゃあ良い友って何よってなるじゃん。綺麗なやつ来ると思うじゃん。心を分かち合う友、夢を語る友、泣いた夜に横にいる友。
兼好の答え、よき友三つ。一発目、物くれる友。
ひなの
ひなの
一発目それ?www
ヒロシ
ヒロシ
急に現金すぎるやろwww
コウキ
コウキ
でもこれ、めちゃくちゃ人間を見てる。腹は減る。寒い日はある。急に必要な物も出る。
その時、これ使えよって米や毛布を差し出す友は強い。兼好は友情を綺麗ごとにしてない。困った日に実物を持ってくる奴を、まず良い友に置く。
二つ目、医師。これも現実。熱が四十度ある時に、人生とは何か語ろうぜって友達が来たら地獄。診て。
寝かせて。薬どれ。セックスの相性より先に解熱剤の場所。体が終わったらロマンも終わるんよ。
しずく
しずく
発熱中の夢語り、普通にきつい。
コウキ
コウキ
三つ目、知恵ある友。ここでやっと精神面っぽいのが来る。でもふわっと賢い人じゃない。
こっちが調子乗ってる時に、一回座れって言える人。若さの勢いで変なことしそうな時に、明日の自分もそれ見たいかって止める人。欲深い奴に巻かれそうな時に、それ誰が得すんのって聞ける人。
ひなの
ひなの
それは助かる。止めてくれる人ありがたい。
コウキ
コウキ
しかもこの三つ、孔子の論語にある有益な友三つ、有害な友三つって考え方を踏まえてるとされる。孔子って中国のめちゃ有名な先生で、正直な友、誠実な友、物知りな友が良いって言う。
悪いのは、うわべだけ、へつらう、口先だけの友。つまり孔子は、相手の人柄を見てる。
で、兼好は同じ友三つの形を使いながら、急に物、治療、助言に寄せる。人格がきれいかより、自分の暮らしに何をもたらすか。孔子が人柄チェックなら、兼好は生活防衛チェック。
ここが面白い。偉い先生の話を借りておいて、最後は米と医者と止めてくれる友に着地する。逆に天才。
全員がじわじわ笑う。
コウキ
コウキ
よき友三つって、ほぼ防災セットなんよ。食料、救急、避難判断。物くれる友が生活を助ける。医師が体を助ける。
知恵ある友が判断を助ける。兼好の友達論は、誰と盛り上がるかじゃない。誰といれば人生が燃えずに済むか。飲み会で一番笑わせる奴より、帰り道に火を消す奴を残せ。

暗記用

これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ

口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。

  1. 友とするにわろき者ともとするにわろきもの

    友達にしない方がいい人リスト。八百年前なのに今も刺さる。

  2. よき友三つありよきともみつあり

    良い友達の条件を短く言える便利フレーズ。

  3. 物くるる友ものくるるとも

    物をくれる友。兼好がちゃんと現実的で笑えるところ。

  4. 人間関係の目利きにんげんかんけいのめきき

    徒然草を現代の飲み会に持ってくる時のまとめ方。

よくある質問

Q. 徒然草117話目の悪い友って何?
A. 兼好法師が友達にすると危ないとした七種類。身分が高すぎる人、若い人、体が強すぎる人、酒好き、血気盛んな武人、嘘つき、欲深い人。
Q. よき友三つって何?
A. 物をくれる友、医師、知恵ある友。生活、体、判断を助ける友が強いって発想。
Q. 兼好の友達論は何が面白い?
A. 友情を美談にせず、こいつといると暮らしが守れるかで見てるところ。七百年くらい前なのに、酒、嘘、欲、人脈利用が今の飲み会にも刺さる。
Q. 論語との違いは?
A. 孔子は正直、誠実、物知りみたいに人柄で良い友を見た。兼好は物、治療、助言みたいに、自分の生活をどう助けるかで見た。

次に読む

もし現代でやったらコンプライアンス違反疑惑度★★★★

辛口の友達論、口は悪いが罪はない

元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。

腕試し(オリジナル問題)

過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。

問1第百十七段で兼好が挙げる「友とするにわろき者」七つは、性格の善悪そのものよりも、その相手と付き合うと自分の生活がどうなるかという観点で選ばれている。「高くやんごとなき人」「酒を好む人」「欲深き人」の三つを例に、それぞれと友になると付き合う側にどんな負担が生じるかを説明し、兼好の友選びの基準が倫理的というより実生活的である点を百五十字程度でまとめよ。

問2兼好は「よき友三つ」の筆頭に「物くるる友」を、二つ目に「医師」を置き、精神的な友をいちばん最後の「智恵ある友」に回している。情の深い友や心を分かち合う友を先に挙げないこの順序から、兼好が友情に何を求めていたと読み取れるか。あなたの考えを百二十字程度で述べよ。

問3第百十七段の「よき友三つ」「友とするにわろき者」という発想は、『論語』季氏篇の「益者三友、損者三友」(有益な友三種と有害な友三種を説く孔子の言葉)を踏まえているとされる。孔子が「正直・誠実・博識」を益友、「うわべ・へつらい・口先」を損友としたのに対し、兼好の良き友は「物くるる友・医師・智恵ある友」である。両者の友の基準にどんな違いがあるかを比較し、八十字程度で説明せよ。