第2夜 源氏物語 その8
朧月夜。セックスする相手を間違えて須磨に飛ばされる
光源氏、女の選び方ミスって人生の住所が都から須磨になった男。顔と血筋で勝ち続けたのに、夜の身元確認サボって昼の人生が海辺まで吹っ飛ぶ。
朧月夜って誰? なんで触ったら爆発なの?









最初の夜、なんでそんなことになるの?













バレたらなんで都アウトなの?










須磨行きってどれくらい落ちるの?









そこからどうやって戻ってくるの?












暗記用
これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ
口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。
朧月夜(おぼろづきよ)
敵対側に近い女性。光源氏の転落の引き金になる。
弘徽殿(こきでん)
源氏に厳しい勢力側の名前。政治の敵陣として覚える。
須磨退去(すまたいきょ)
光源氏が都を離れる大事件。恋愛の失敗が政治に直撃する。
権力闘争(けんりょくとうそう)
源氏物語を恋愛だけでなく政治劇として見る鍵。
よくある質問
- Q. 源氏物語の朧月夜って誰?
- A. 右大臣の娘で、弘徽殿の女御の妹。弘徽殿の女御は朱雀帝の母で、朧月夜自身ものちに帝のそば付きの偉い女官になる。だから源氏にとっては恋人というより政治地雷。
- Q. 光源氏はなんで須磨へ行ったの?
- A. 朧月夜との関係が右大臣側に知られ、政敵に攻撃材料を渡したから。父の桐壺院も亡くなって後ろ盾が弱くなり、都に居続けるのが危なくなって、自分から身を引く形で須磨へ行った。
- Q. 朧月夜事件は恋愛じゃなくて政治問題なの?
- A. 政治問題。平安では誰とセックスしたか、誰の子が生まれるかが家の出世に直結した。朧月夜は敵対する右大臣家の重要な娘なので、源氏の関係は家の面子と宮中の権力争いを直撃した。
- Q. 冷泉帝は源氏の復活とどう関係するの?
- A. 冷泉帝は表向き桐壺院の皇子だが、実は源氏と藤壺の子。即位後に源氏を厚く扱うため、源氏の復帰と栄華の大きな鍵になる。
次に読む
政敵の娘と深い仲になりバレて須磨へ
- 刑法130条正当な理由なく他人の住居や建物に侵入する行為などに関する規定(住居侵入等)。
- 民法709条故意または過失によって他人の権利を侵害した者に損害賠償責任を負わせる規定(不法行為)。
元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。
入試に出た
この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。
- 高校古典・大学入試(古文)国語(古文)
出典: 源氏物語「須磨」(須磨の秋)
朧月夜との密通が右大臣側に発覚して追い詰められた光源氏が、自ら都を離れて須磨へ退く場面。高校古典の定番教材で難度が高い単元として知られる。出題のされ方は、退去を決意する源氏の心情説明、敬語の使い分けからの人物関係(誰が誰に対して敬意を払っているか)の把握、別れの和歌の解釈、傍線部の現代語訳、本文の内容合致の選択など。源氏物語は大学入試の古文出典として最頻出の作品とされる。
答えの要点:正解の核は次の点を押さえること。源氏は朧月夜との密通を政敵の右大臣側に握られ、このままでは自分だけでなく、藤壺との子で次の帝候補である東宮(のちの冷泉帝)にまで災いが及びかねない立場にあった。だから罪に問われて流される前に、先手を打って自ら都を退くことを選ぶ。心情は、都や親しい人々(紫の上ら)と別れるつらさと、東宮を守るための覚悟が重なり合ったものとして説明するのが要点。敬語の問題は、地の文で源氏に向く敬意と、帝や東宮へ向くより高い敬意の差が身分の上下を示すので、最高の敬語が誰に向いているかで主語と相手を判定するのが解法。別れの和歌は、都を離れる不安と人を思う心情を詠むものとして現代語訳や心情説明に結びつける。
- 高校古典・大学入試(古文)国語(古文)
出典: 源氏物語「花宴」(光源氏と朧月夜の出会い)
花の宴のあと、源氏が宮中で和歌を口ずさむ女君に出会い結ばれる場面。出題では、女君が誰か(身分や素性)、二人の心情、和歌のやり取りの意味を読み取らせ、傍線部の解釈や心情説明を問う形が中心。なお大学入学共通テスト・センター試験で本文に採られた源氏物語は胡蝶(1989年)、薄雲(1999年)、手習(2003年追試)などで、花宴巻や須磨巻そのものが共通テスト本文に採用された事実は確認できていない。
答えの要点:正解の核は、女君の口ずさむ歌「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき」から、源氏が相手を上品な身分の女と察して声をかけ、互いに名乗らないまま惹かれ合って結ばれる場面だと読むこと。扇を取り交わして後日の手がかりとする点から、相手の素性を確かめないまま関係を持つ源氏の性急さと、女も強くは拒めない様子が読み取れる。心情説明では、月の歌に託された情趣と、一夜の出会いに惹かれる双方の気持ちを書く。さらに、この相手がのちに政敵右大臣の娘(朧月夜)と判明し、須磨退去の伏線になるという場面の位置づけまで押さえると、内容合致や心情の問いに正しく答えられる。
腕試し(オリジナル問題)
過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。
問1光源氏が都を離れて須磨へ移ることになった直接のきっかけは何か。朧月夜という人物の立場を踏まえて、二、三行で説明しなさい。
問2平安貴族にとって「都を離れて須磨へ下る」ことが、単なる転居ではなく重い意味を持ったのはなぜか。当時の貴族社会のしくみに触れて説明しなさい。
問3この物語では、夜の私的なふるまい(誰と関係を持つか)が昼の公的な運命(政治的な立場)を大きく左右する。この構図について、現代にも通じる点を交えてあなたの考えを述べなさい。