第2夜 源氏物語 その8

朧月夜。セックスする相手を間違えて須磨に飛ばされる

光源氏、女の選び方ミスって人生の住所が都から須磨になった男。顔と血筋で勝ち続けたのに、夜の身元確認サボって昼の人生が海辺まで吹っ飛ぶ。

朧月夜って誰? なんで触ったら爆発なの?

りり
りり
まず一撃で言うね。光源氏、女の選び方ミスって人生の住所が都から須磨になった男。顔がいい、血筋いい、歌もうまい。会場にいるだけで女が目で追う。
そこまでは最強。でも下半身のブレーキが壊れてる。宮中で一番やっちゃダメな相手に、ちんこ持って突撃してるのよwww
こゆき
こゆき
始まりから事故物件すぎるwww
りり
りり
相手が朧月夜。名前だけなら、月明かりふわあ、声きれい、香りよさそう、って感じじゃん。でも中身は政治の地雷。右大臣の娘。右大臣って源氏の味方じゃなくて、源氏を落とす側の大物ね。
しかも朧月夜の姉は弘徽殿の女御。女御って、帝の奥さんクラスの女。その姉が朱雀帝のお母さん。つまり朧月夜は、敵の家の娘で、帝の母方の身内で、宮中のど真ん中に置かれる予定の女なわけ。
ユウキ
ユウキ
設定盛りすぎでしょwww
りり
りり
さらに本人ものちに尚侍になる。これ読み方だけだと硬いけど、要は帝のすぐそばに置かれる偉い女官。帝の近くで動く女だから、ただの恋人じゃない。敵の家の社長令嬢が、社長室の横で働く予定みたいなもん。
そこに夜中、源氏がふらっと入ってセックス。終わり。会社全体に即バレるやつ。
ことね
ことね
うわ、かわいい名前なのに怖すぎる
りり
りり
平安って、誰とセックスしたかが家の出世に直結する世界なの。子どもが生まれたら、その子の血筋で家の席順が変わる。だから朧月夜に手を出すのは、夜遊びじゃない。
敵の家の重要カードに素手で触ってる。しかも手じゃなくて下半身で触ってる。最悪www
こゆき
こゆき
下半身で政治を触るなwww
グラスが一斉にテーブルを叩く。
りり
りり
朧月夜はかわいい恋の相手じゃない。源氏の政治生命に刺さる、香りつきの爆弾。

最初の夜、なんでそんなことになるの?

りり
りり
出会いがまた腹立つくらい絵になるの。宮中で花の宴。桜、酒、歌、貴族のドヤ顔。源氏は当然センター。
顔面が照明だから、そこにいるだけで夜が明るい。こっちは居酒屋の蛍光灯でも盛れないのに、あいつ月明かりで勝つからね。むかつくwww
こゆき
こゆき
顔面が照明はずるいwww
りり
りり
宴のあと、源氏が宮中をふらふら歩く。そこで女の声がする。春の夜、月ぼんやり、その女が朧月夜にかなうものなんてないよね、みたいな歌を口ずさんでる。
源氏の頭の中、カーンって鳴るわけ。声いい、歌いい、匂いもいい、誰これ、行くしかない。
でも普通はここで止まるじゃん。名前は? 家は? 誰の身内? そのへん確認するじゃん。
だって宮中って、隣の部屋に自分の敵の家族がいる世界だからね。でも源氏の身元確認、歌と声と匂い。ザル。マッチングアプリでプロフィール一文字も読まずに現地集合するより雑。
ユウキ
ユウキ
本人確認ゼロは怖いって
りり
りり
で、こいつ次に何したと思う?
こゆき
こゆき
さすがに名前聞く?
ユウキ
ユウキ
家だけでも探るでしょ
ことね
ことね
歌で様子見して帰る?
りりが箸を置く。
りり
りり
セックスした。早い。審査がザル。
こゆき
こゆき
うそやろwwww
りり
りり
しかもあとで相手が右大臣家の朧月夜って分かる。朝になって、あれ敵の家の超重要カードじゃん、ってなる。飲み会でノリ合ってホテル行って、朝に名刺見たら自分を潰しに来てる会社の役員娘だった感じ。
裸で名刺交換。血の気引くわwww
ことね
ことね
裸で名刺交換しんどすぎる(笑)
りり
りり
普通はここで引く。やばい相手だった、もうやめよ、ってなる。でも源氏は引かない。危険って分かった瞬間、逆に味濃くなってる。
背脂を足すノリでリスクを足す男。最初の夜はロマンスじゃない。身元確認をサボった性欲が、自分の未来に火をつけた夜。

バレたらなんで都アウトなの?

りり
りり
ここから源氏の悪い癖が出る。一回で終わらない。通う。やめない。しかもタイミングが最悪。
源氏の父、桐壺院が亡くなる。桐壺院は源氏の巨大な後ろ盾ね。父であり、宮中で源氏を守ってくれる大きな屋根だった。その屋根が外れた瞬間、朱雀帝の側、弘徽殿の側、右大臣の家が一気に強くなる。
つまり守りが紙になったタイミングで、源氏は敵の本丸へ夜這い継続。火遊びじゃない。ガソリンの横で焼き鳥してる。しかも本人だけ、いい匂いするなあ、くらいの顔してる。
こゆき
こゆき
燃える未来しか見えないwww
りり
りり
で、ついに見つかる。朧月夜のところに源氏がいるのを、右大臣側に知られる。夜中、敵の大物の娘の部屋、そこに源氏。もう言い訳がない。
月がきれいでとか、歌を聞いてたらとか、無理。和歌で押し切れる現場じゃない。現行犯。
ユウキ
ユウキ
詰み方がきれいすぎる
りり
りり
右大臣家からしたら、うちの娘に何してんだよって話。弘徽殿側からしたら、源氏を落とす材料来たあああってなる。
政敵って、正面から殴るより、弱みを握った時が一番強いの。源氏はその弱みの取っ手を自分で取り付けて、ピカピカに磨いて、どうぞ引っ張ってくださいって納品してる。
ユウキ
ユウキ
自作の弱みを納品すなwww
りり
りり
しかも宮中の噂は消せない。誰の牛車がどこに止まった、誰が夜どこへ行った、誰の女房が見た、全部まわる。今のSNSより怖い。
消すボタンがない。源氏は顔がいいから余計に見られる。バレないわけないのに、バレない顔で行くなって話。
ことね
ことね
顔がいいのに危機感がないの最悪(笑)
りり
りり
その場の欲って甘いのよ。声かわいい、肌近い、夜がエロい。でも朝になったら請求書が来る。
しかも政治の利息つき。源氏は朧月夜の部屋で捕まったんじゃない。自分の性欲で作った落とし穴に、自分で足から入ったの。
誰かの氷がカランと鳴る。
りり
りり
源氏、恋のドアを開けたつもりで、政治の落とし穴に落ちた。

須磨行きってどれくらい落ちるの?

りり
りり
で、源氏は都を離れて須磨へ行く。須磨は今の兵庫の海辺。でも海いいじゃん、チルじゃん、じゃないからね。平安貴族にとって都を離れるって、権力の中心から外されること。
昇進、人脈、噂の中心、帝の近くの席、その全部から切れる。スマホが圏外になるより重い。人生の電波が切れる。
こゆき
こゆき
海辺なのに全然リゾートじゃないwww
りり
りり
しかも源氏は、縄つけられて連れて行かれるんじゃない。自分から身を引く形で行く。ここが生々しい。書類上は自主退職。でもみんな分かってる。実質クビ。
父の後ろ盾はもうない。敵は強い。右大臣家は怒ってる。朱雀帝の周りも気まずい。都に残る席がじわっと消えていくのを、源氏も読んだ。
ユウキ
ユウキ
体裁だけ自分で整えたやつだ
りり
りり
須磨で源氏は月を見る。海を見る。都の女たちを思い出す。歌を詠む。
落ちた男なのに絵になる。そこがまたむかつく。普通なら砂浜で缶ビール持って目が死ぬのに、源氏は失脚しても月と海が似合う。失脚のビジュアルが強い。
ことね
ことね
落ちても盛れてるの腹立つな
りり
りり
ただ、須磨は終わりの場所じゃない。物語の大きな曲がり角。ここから源氏は明石へ移って、そこでまた縁ができて、あとで都へ戻る流れにつながる。
でも入口は忘れちゃダメ。敵側の女とセックスして、バレて、政敵に口実を渡して、都から外れる。夜の下調べゼロが、昼の人事をぶっ壊した。
こゆき
こゆき
人事の理由がセックス、ひどいwww
店員が空いた皿を下げる間だけ、全員にやにやしてる。
りり
りり
須磨は海辺のロマンじゃない。相手を間違えた男に届いた、政治の請求書。

そこからどうやって戻ってくるの?

りり
りり
普通ならここで終わりじゃん。やらかしました、飛ばされました、海を見て反省しました、終了。でも源氏物語はねちっこい。朱雀帝が不安になったり、病や夢のお告げが重く見られたりして、源氏を戻す空気になる。
平安政治って、派閥だけじゃない。病、夢、天変、血筋、全部入ってくる。会議で夢のお告げが真顔で議題になる世界。
こゆき
こゆき
夢が議題になるのやばwww
りり
りり
さらにでかいのが冷泉帝。冷泉帝は表向き、源氏の父の桐壺院の子。でも実は、源氏と藤壺の子。藤壺は源氏の父の妃で、源氏がずっと執着してた女ね。
つまり源氏、父の妃ともセックスして、その秘密の子がのちに帝になる。家系図がもう絡まったイヤホン。ほどこうとしたら余計に絡む。
ユウキ
ユウキ
親族関係ぐちゃぐちゃすぎる
りり
りり
で、その冷泉帝が即位すると、源氏を厚く扱う流れになる。もちろん表向きは源氏の子なんて言えない。でも血の秘密が裏で効いてくる。朧月夜とのセックスで源氏は政治生命を終わらせかける。
別のセックスで生まれた冷泉帝が、のちに源氏を上へ引き上げる。失脚の原因もセックス。復活の鍵もセックスの結果。人生の浮き沈みが全部下半身で決まってる。
ことね
ことね
源氏、下半身で人生のすごろく振ってるじゃん
りり
りり
そう。夜のやらかしで落ちて、夜の秘密の子で這い上がる。この対称がえぐいの。だから朧月夜の話って、ただの浮気バレじゃない。
源氏物語全体のデカい仕組みが見える。誰とセックスしたか、誰の子が生まれたか、それで家も政治も運命も動く。きれいな和歌の皮をかぶった、血と欲の大河ドラマ。
で、ここで聞きたい。源氏って何で千年読まれてると思う?
こゆき
こゆき
顔がいいから?
ユウキ
ユウキ
権力争いが濃いから?
ことね
ことね
歌がうまいから?
りりが笑いながらグラスを持つ。
りり
りり
全部ある。でも一番は、人間の事故り方が千年アップデートされてないから。
欲、嫉妬、家の面子、子どもの血筋、政治、全部が一本につながる。服は十二単から令和の服に変わった。でも好きな相手を間違えて人生燃やす人間は、今も普通にいる。
源氏はその豪華版。宮中セットでやっただけ。
一拍置いて、全員がこっちを見る。
りり
りり
朧月夜事件は、夜に選んだ女を間違えて、昼の人生が須磨まで吹っ飛んだ話。

暗記用

これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ

口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。

  1. 朧月夜おぼろづきよ

    敵対側に近い女性。光源氏の転落の引き金になる。

  2. 弘徽殿こきでん

    源氏に厳しい勢力側の名前。政治の敵陣として覚える。

  3. 須磨退去すまたいきょ

    光源氏が都を離れる大事件。恋愛の失敗が政治に直撃する。

  4. 権力闘争けんりょくとうそう

    源氏物語を恋愛だけでなく政治劇として見る鍵。

よくある質問

Q. 源氏物語の朧月夜って誰?
A. 右大臣の娘で、弘徽殿の女御の妹。弘徽殿の女御は朱雀帝の母で、朧月夜自身ものちに帝のそば付きの偉い女官になる。だから源氏にとっては恋人というより政治地雷。
Q. 光源氏はなんで須磨へ行ったの?
A. 朧月夜との関係が右大臣側に知られ、政敵に攻撃材料を渡したから。父の桐壺院も亡くなって後ろ盾が弱くなり、都に居続けるのが危なくなって、自分から身を引く形で須磨へ行った。
Q. 朧月夜事件は恋愛じゃなくて政治問題なの?
A. 政治問題。平安では誰とセックスしたか、誰の子が生まれるかが家の出世に直結した。朧月夜は敵対する右大臣家の重要な娘なので、源氏の関係は家の面子と宮中の権力争いを直撃した。
Q. 冷泉帝は源氏の復活とどう関係するの?
A. 冷泉帝は表向き桐壺院の皇子だが、実は源氏と藤壺の子。即位後に源氏を厚く扱うため、源氏の復帰と栄華の大きな鍵になる。

次に読む

もし現代でやったらコンプライアンス違反疑惑度★★★★★

政敵の娘と深い仲になりバレて須磨へ

  • 刑法130条正当な理由なく他人の住居や建物に侵入する行為などに関する規定(住居侵入等)。
  • 民法709条故意または過失によって他人の権利を侵害した者に損害賠償責任を負わせる規定(不法行為)。

元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。

入試に出た

この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。

  • 高校古典・大学入試(古文)国語(古文)

    出典: 源氏物語「須磨」(須磨の秋)

    朧月夜との密通が右大臣側に発覚して追い詰められた光源氏が、自ら都を離れて須磨へ退く場面。高校古典の定番教材で難度が高い単元として知られる。出題のされ方は、退去を決意する源氏の心情説明、敬語の使い分けからの人物関係(誰が誰に対して敬意を払っているか)の把握、別れの和歌の解釈、傍線部の現代語訳、本文の内容合致の選択など。源氏物語は大学入試の古文出典として最頻出の作品とされる。

    答えの要点:正解の核は次の点を押さえること。源氏は朧月夜との密通を政敵の右大臣側に握られ、このままでは自分だけでなく、藤壺との子で次の帝候補である東宮(のちの冷泉帝)にまで災いが及びかねない立場にあった。だから罪に問われて流される前に、先手を打って自ら都を退くことを選ぶ。心情は、都や親しい人々(紫の上ら)と別れるつらさと、東宮を守るための覚悟が重なり合ったものとして説明するのが要点。敬語の問題は、地の文で源氏に向く敬意と、帝や東宮へ向くより高い敬意の差が身分の上下を示すので、最高の敬語が誰に向いているかで主語と相手を判定するのが解法。別れの和歌は、都を離れる不安と人を思う心情を詠むものとして現代語訳や心情説明に結びつける。

  • 高校古典・大学入試(古文)国語(古文)

    出典: 源氏物語「花宴」(光源氏と朧月夜の出会い)

    花の宴のあと、源氏が宮中で和歌を口ずさむ女君に出会い結ばれる場面。出題では、女君が誰か(身分や素性)、二人の心情、和歌のやり取りの意味を読み取らせ、傍線部の解釈や心情説明を問う形が中心。なお大学入学共通テスト・センター試験で本文に採られた源氏物語は胡蝶(1989年)、薄雲(1999年)、手習(2003年追試)などで、花宴巻や須磨巻そのものが共通テスト本文に採用された事実は確認できていない。

    答えの要点:正解の核は、女君の口ずさむ歌「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき」から、源氏が相手を上品な身分の女と察して声をかけ、互いに名乗らないまま惹かれ合って結ばれる場面だと読むこと。扇を取り交わして後日の手がかりとする点から、相手の素性を確かめないまま関係を持つ源氏の性急さと、女も強くは拒めない様子が読み取れる。心情説明では、月の歌に託された情趣と、一夜の出会いに惹かれる双方の気持ちを書く。さらに、この相手がのちに政敵右大臣の娘(朧月夜)と判明し、須磨退去の伏線になるという場面の位置づけまで押さえると、内容合致や心情の問いに正しく答えられる。

腕試し(オリジナル問題)

過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。

問1光源氏が都を離れて須磨へ移ることになった直接のきっかけは何か。朧月夜という人物の立場を踏まえて、二、三行で説明しなさい。

問2平安貴族にとって「都を離れて須磨へ下る」ことが、単なる転居ではなく重い意味を持ったのはなぜか。当時の貴族社会のしくみに触れて説明しなさい。

問3この物語では、夜の私的なふるまい(誰と関係を持つか)が昼の公的な運命(政治的な立場)を大きく左右する。この構図について、現代にも通じる点を交えてあなたの考えを述べなさい。