第2夜 源氏物語 その9
女三の宮と柏木。光源氏が、やられる側になる因果応報
光源氏、人の家庭にズカズカ入ってた男なのに、晩年は自分ちが燃える側になる。若い頃に父ちゃんの妻 藤壺とセックスして秘密の子まで作ったら、最後は自分の妻が柏木とセックスして、秘密の子 薫を抱かされる。古典なのに中身、性欲と沈黙の請求書で普通にえぐい。
女三の宮とは誰で、なぜ光源氏の家に来たのか








柏木はなぜ女三の宮に執着したのか








女三の宮と柏木は何をして、薫はどう生まれたのか







なぜこれは光源氏への因果応報なのか








柏木と女三の宮はその後どうなったのか







なぜ誰も本当のことを言わないのか






暗記用
これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ
口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。
女三の宮(おんなさんのみや)
晩年の光源氏が迎える皇女。因果応報の舞台になる。
柏木(かしわぎ)
女三の宮に思いを寄せ、光源氏に同じ痛みを返す若者。
薫(かおる)
女三の宮と柏木の子。宇治十帖へつながる人物。
因果の一周(いんがのいっしゅう)
若い日の光源氏がしたことが、晩年に自分へ返る構造。
よくある質問
- Q. 女三の宮は誰?
- A. 朱雀院の娘で、光源氏に迎えられた若い姫。源氏から見ると姪みたいな立場で、恋愛より血筋と政治の重さが強い人。
- Q. 柏木はなぜ女三の宮に執着した?
- A. 蹴鞠の場で猫が御簾を引き上げ、柏木が女三の宮を一瞬見てしまったから。そこから忘れられず、執着が止まらなくなる。
- Q. 薫は本当は誰の子?
- A. 表向きは光源氏の子。でも物語上は、柏木と女三の宮のあいだに生まれた子。あとで源氏物語の最後のほう、宇治が舞台の話で中心になる。
- Q. なぜ女三の宮と柏木の事件は因果応報なの?
- A. 源氏が若い頃、父の妻 藤壺とセックスして秘密の子 冷泉帝を作ったから。晩年は自分の妻が柏木とセックスし、秘密の子 薫を産む側に回る。
- Q. 柏木と女三の宮はその後どうなる?
- A. 柏木は罪悪感と恐怖で壊れて病死する。女三の宮は髪を切って恋や結婚の世界から離れ、お寺のほうへ行く。
次に読む
奪った側が奪われる番、因果がきれいに一周
- 刑法130条正当な理由なく他人の住居や建物に侵入する行為などに関する規定(住居侵入等)。
- 刑法177条同意のない性交等を処罰する規定(不同意性交等)。
- 民法709条故意または過失によって他人の権利を侵害した者に損害賠償責任を負わせる規定(不法行為)。
元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。
入試に出た
この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。
- 大学入学共通テスト 国語2025年古文
出典: 源氏物語「若菜下」(および擬古物語「在明の別」との読み比べ)
女三の宮が源氏の正妻として迎えられたあとの六条院を舞台に、紫の上が重い病で危篤に陥り、そこへ物の怪(六条御息所の死霊)が現れて積年の恨みを語る場面が出題された。問われたのは主に三つ。(1)本文の場面理解(誰が病み、誰の前に何が現れ、何を言っているか)。(2)傍線部の敬語が尊敬・謙譲・丁寧のどれで、誰から誰への敬意かという敬意の方向。(3)源氏物語と擬古物語『在明の別』を並べ、似た状況や心情をどう関連づけて読むかという複数文章の読み比べ。
答えの要点:正解の核心はまず人物関係を取り違えないこと。病に倒れているのは源氏が長年いちばん大事にしてきた紫の上で、現れて恨み言を語るのは生前に源氏の愛を競った六条御息所の死霊(物の怪)である。源氏の正妻には血筋の重い女三の宮が新たに入っており、紫の上はその輿入れで心を深く痛めている。物の怪の発言は、源氏に愛されながらも報われなかった女の嫉妬と執着を示すものだと押さえれば心情説明で外さない。敬語は、地の文の尊敬語(給ふ等)が源氏や紫の上ら高位の人物への作者の敬意、会話文中の敬語は話し手から聞き手や話題の人物への敬意、と『誰から誰へ』を一つずつ確定するのがポイントで、主語を補って動作主と受け手を取り違えないことが得点の鍵。読み比べは、二つの文章に共通する『愛と嫉妬で苦しむ女性の心』という主題や、病・死霊・人の情念といった共通モチーフを軸に、両者の状況を対応づけて答えればよい。
腕試し(オリジナル問題)
過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。
問1この物語では、若い頃の光源氏と晩年の光源氏が、ちょうど鏡のように対になる立場に置かれている。誰と誰の関係がどのように反転しているのかを、生まれた子の名前にも触れながら説明しなさい。
問2柏木が女三の宮への思いを募らせる発端は、蹴鞠の場で猫が御簾を引き上げてしまった出来事だった。なぜ「姿を見られた」というだけのことが、これほど重大な出来事として描かれるのか。当時の貴族社会の常識をふまえて説明しなさい。
問3薫が柏木の子であることに、光源氏をはじめ周囲の多くが薄々気づいている。それでも誰もそれを口に出さない。登場人物たちが沈黙を選ぶ理由を、関係者それぞれの利害に触れて説明しなさい。