第2夜 源氏物語 その9

女三の宮と柏木。光源氏が、やられる側になる因果応報

光源氏、人の家庭にズカズカ入ってた男なのに、晩年は自分ちが燃える側になる。若い頃に父ちゃんの妻 藤壺とセックスして秘密の子まで作ったら、最後は自分の妻が柏木とセックスして、秘密の子 薫を抱かされる。古典なのに中身、性欲と沈黙の請求書で普通にえぐい。

女三の宮とは誰で、なぜ光源氏の家に来たのか

りり
りり
まず聞いて。光源氏って、若い頃は人の家庭にズカズカ入ってた男なわけ。父ちゃんの妻 藤壺に手を出して、秘密の子まで作る。
で、晩年どうなるか。自分の家に若い姫が来て、今度は自分の家庭が燃える側になる。若い日の性欲が、晩年に一括請求で来る話なんよ。
こゆき
こゆき
初手から請求額でかすぎwww
りり
りり
その若い姫が女三の宮。朱雀院っていう、源氏の兄にあたる元帝の娘。だから源氏から見たら姪みたいな立場でもある。しかも父親が元帝だから血筋が強すぎる。
恋の相手っていうより、家に置いた瞬間に周りが黙る血筋と政治の札なの。源氏も軽く断れない。断ったら角が立つし、受けたら家の格は上がる。
ユウキ
ユウキ
恋愛相談じゃなくて、家の大型案件じゃん。
りり
りり
そう。で、源氏の家には紫の上がいる。紫の上は、源氏が長年いちばん大事にしてきた女性。源氏の人生の真ん中にいた人。
そこへ女三の宮が正妻級で入ってくる。これ、ただ若い子が増えたとかじゃない。紫の上からしたら、自分がずっと座ってた真ん中の席に、血筋最強の札を置かれる感じ。
ことね
ことね
それ刺さるわ。席の話はきつい。
りり
りり
しかも女三の宮が悪女として勝ち誇って来た話でもないのよ。世間知らずの姫が、大人たちの都合で源氏の屋敷に入る。紫の上は心を刺される。
源氏は家のために受ける。女三の宮本人も自由じゃない。はい、見た目は雅、でも中身は全員きれいな服で詰んでる。
こゆき
こゆき
きれいな服で詰むの、しんどすぎるwww

柏木はなぜ女三の宮に執着したのか

りり
りり
ここに柏木が出てくる。柏木は、頭中将っていう源氏と並ぶエリート男の息子。頭中将はあとで内大臣になるくらいの大物ね。
つまり柏木は、家柄よし、才能よし、若さありの若手優等生。飲み会で言うと、顔も仕事も良くて会計も早い男。なのに脳とちんこが別部署で動く。
こゆき
こゆき
その部署、だいたい事故るwww
りり
りり
事故の発端が猫なの。男たちが庭で蹴鞠してる。ボールを落とさず蹴る遊びね。
そこに女三の宮の猫がいて、その猫のひもが御簾に引っかかる。御簾、要は顔を隠す目隠しのすだれ。平安の上流の姫は、外の男に顔を見せないのがふつうだから、このすだれが上がるのは大事故。
ユウキ
ユウキ
猫、やらかし方が派手。
りり
りり
で、その一瞬で柏木が女三の宮の姿を見ちゃう。見ちゃいけない人を見ちゃう。猫が導火線。
非公開アカウントの中身が一秒だけ全公開になって、柏木だけスクショを心に保存したみたいなもん。で、こいつ次に何したと思う?忘れる?撤退する?友達に止めてもらう?
ことね
ことね
撤退してくれ。お願いだから。
こゆき
こゆき
猫のせいにして終わろう。
箸が止まる。
りり
りり
忘れない。撤退しない。柏木、女三の宮を頭の中に貼り付けて、毎日勝手に再生し始める。
もう恋っていうより執着の定期便。相手は源氏の妻で、元帝の娘で、手を出したら自分の家も相手の家も全部燃えるのに、欲だけが育つ。猫は一回すだれ上げただけなのに、柏木の中では毎日導火線に火がついてる。

女三の宮と柏木は何をして、薫はどう生まれたのか

りり
りり
で、事件本番。柏木は止まらない。女三の宮のところへ入り込んで、女三の宮とセックスする。
ここをきれいな恋みたいに包むと話がぼける。女三の宮は若くて、立場も弱くて、場を仕切れる人じゃない。柏木の欲が踏み込んで、家の床が抜ける。
こゆき
こゆき
急に床抜けた。ほんとに。
りり
りり
しかもそこで終わらない。女三の宮、妊娠する。生まれるのが薫。表向きは光源氏の子。
でも本当は柏木の子。薫はあとで、源氏物語の最後のほう、宇治が舞台の話で中心になる人物。つまりこの秘密は、その場のスキャンダルで終わらず、未来の話まで背負って歩く。
ユウキ
ユウキ
爆発物が次の世代に運ばれてる。
りり
りり
ここで源氏の過去が返ってくる。源氏も若い頃、父ちゃんの妻だった藤壺とセックスして、秘密の子を作ってる。その子が冷泉帝。
表向きは源氏の父の子として育つけど、本当は源氏の子。つまり源氏は昔、表の父と本当の父がずれる子を作った側なの。
ことね
ことね
うわ、同じ形で返ってきた。
りり
りり
そう。若い源氏と藤壺の子が冷泉帝。柏木と女三の宮の子が薫。秘密の子が二人いて、構図が鏡みたいになってる。
源氏は昔、人の家庭に踏み込む側だった。晩年は自分の妻に踏み込まれる側になる。作者は紫式部。千年前にこの席替えを全54巻の中へ仕込んでるの、普通に脚本が強すぎる。
で、源氏は鈍くない。時期と空気で、これ自分の子じゃなくない?って察する。でも叫べない。叫んだ瞬間、女三の宮、朱雀院、柏木の家、自分の藤壺事件、全部まとめて爆発する。
しかもお前も昔やったじゃんって、自分の過去が顔面に跳ね返る。怒鳴りたいのに、喉で止まる。これがきつい。

なぜこれは光源氏への因果応報なのか

りり
りり
ここが一番えぐい。光源氏って、ずっと入っていく側だったじゃん。藤壺のところにも行くし、いろんな女の人生にズカズカ入って、恋だの苦しみだの言いながら爪あとを残す。
顔が強い。言葉もうまい。だからかなり通ってた。
こゆき
こゆき
顔で通した領収書に、あとから税務調査来た感じ?www
ユウキ
ユウキ
追徴がでかいタイプのやつ。
りり
りり
それそれwww 晩年の税務調査が女三の宮の事件なの。源氏は今度、待つ側になる。自分の屋敷の中で、若い男が自分の妻に執着して、知らないところでセックスして、子までできる。
源氏はふざけんなって言いたい。でも読者は横で、お前も藤壺でやったな?って焼き鳥持ったまま固まる。
ことね
ことね
焼き鳥が止まるやつ。
りり
りり
源氏に怒る資格がないわけじゃないのよ。自分の妻が別の男とセックスして、別の男の子が自分の家に生まれてるんだから、普通に苦しい。
でも藤壺の件があるから、怒りがまっすぐ外に出ない。嫉妬、屈辱、昔の自分への嫌悪、全部が喉に詰まる。
一瞬、店の音だけになる。
りり
りり
因果応報って、空から雷が落ちることじゃないんよ。昔自分が座ってた席を、今度は反対側から味わうこと。若い源氏は加害席にいた。晩年の源氏は被害席へ席替え。
しかもその席替え表を書いたのが紫式部。怖い。脚本担当、容赦なさすぎ。
若い日の性欲、晩年に請求書で来る。しかも一括払い。
こゆき
こゆき
分割にしてくれwwww

柏木と女三の宮はその後どうなったのか

りり
りり
じゃあ柏木、勝った男みたいにヘラヘラできたか。全然できない。女三の宮とセックスして子までできたのに、達成感なんかない。
罪悪感と恐怖で壊れていく。源氏に見抜かれてる気配、女三の宮を傷つけた現実、朱雀院の娘に手を出した重さ。全部が肩に乗る。
ユウキ
ユウキ
自分で押した注文が地獄盛りで届いた。
りり
りり
平安の怖さって、怒鳴り合いの修羅場だけじゃないの。手紙の文面、視線、沈黙でじわじわ追い詰める。柏木はそれに耐えられない。
病んで、最後は死ぬ。大勝利どころか、欲で開けた穴に自分から落ちる。猫が上げたすだれの向こうに、地獄の入口があったんよ。
こゆき
こゆき
猫の導火線、最後まで効いてる。
りり
りり
女三の宮も、薫が生まれて、はい幸せな母だよ、とはならない。出家する。出家っていうのは、髪を切って恋や結婚の世界から離れて、お寺のほうへ行くこと。
源氏の妻の場所にもいづらいし、柏木との罪も消えないし、薫の秘密も残る。父 朱雀院の考えも絡んで、もうこの家の恋愛ゲームから降りる流れになる。
ことね
ことね
誰も勝ってないじゃん。
りり
りり
そう。柏木は死ぬ。女三の宮は出家する。源氏は黙る。でも薫だけは未来に残る。
表向きは源氏の子、実は柏木の子。薫って香りって名前のとおり、罪の匂いが次の世代に残るの。火は消えた顔をしてるのに、部屋にはまだ匂いが残ってる。源氏物語、後味の残し方までえぐい。

なぜ誰も本当のことを言わないのか

りり
りり
最後に一番怖いとこ行くよ。みんな薄々分かってる。源氏は察してる。柏木は罪で潰れてる。
女三の宮は当事者。周りも空気で変だと感じてる。でも誰も、薫は柏木の子だよね、とは言わない。言った瞬間、血筋、家の名誉、朱雀院の顔、源氏の藤壺事件まで一斉に爆発するから。
こゆき
こゆき
全員知ってるのに、誰も口に出さないやつ。怖っ。
りり
りり
誰かが杯持ちながら、あの子ちょっと柏木に似てない?って言ったら終わり。その場の空気が割れる。でも言わない。
言わないことが礼儀で、政治で、生き残る方法になる。見た目は雅だけど、中身は嫉妬と性欲と権力と家の都合。千年前の上流社会、包み紙は上品でも中身はドロドロ。
ユウキ
ユウキ
沈黙に全員の利害が乗ってる。そりゃ重い。
りり
りり
しかも源氏は昔、この沈黙に守られた側だった。藤壺との子が冷泉帝だなんて公になったら、父ちゃんの妻、帝の血筋、自分の罪、全部大事故。でも黙ってたから生き延びた。今度は同じ沈黙が源氏を縛る。
薫を見て、自分の子じゃないと分かっても叫べない。父親の顔をするしかない。便利だった嘘が、晩年の首輪になる。
だから源氏物語は恋の話であると同時に、秘密を社会の中でどう抱えるかの話でもある。好きだ嫌いだで終わらない。誰が黙るか。誰の子として育てるか。
どの顔を守るか。そこまで全部、人間の欲と家の都合で動く。古典って眠い紙じゃなくて、人間の腹の中をそのまま出してる。
りりが杯を置く。
りり
りり
顔面最強男、最後に自分の性欲の請求書を食らって、無言で判子を押す。古典、えぐすぎるwwww

暗記用

これだけ覚えたら、教養人の顔で会話に入れるフレーズ

口に出す時は、言葉と読みをセットで覚えると強い。

  1. 女三の宮おんなさんのみや

    晩年の光源氏が迎える皇女。因果応報の舞台になる。

  2. 柏木かしわぎ

    女三の宮に思いを寄せ、光源氏に同じ痛みを返す若者。

  3. かおる

    女三の宮と柏木の子。宇治十帖へつながる人物。

  4. 因果の一周いんがのいっしゅう

    若い日の光源氏がしたことが、晩年に自分へ返る構造。

よくある質問

Q. 女三の宮は誰?
A. 朱雀院の娘で、光源氏に迎えられた若い姫。源氏から見ると姪みたいな立場で、恋愛より血筋と政治の重さが強い人。
Q. 柏木はなぜ女三の宮に執着した?
A. 蹴鞠の場で猫が御簾を引き上げ、柏木が女三の宮を一瞬見てしまったから。そこから忘れられず、執着が止まらなくなる。
Q. 薫は本当は誰の子?
A. 表向きは光源氏の子。でも物語上は、柏木と女三の宮のあいだに生まれた子。あとで源氏物語の最後のほう、宇治が舞台の話で中心になる。
Q. なぜ女三の宮と柏木の事件は因果応報なの?
A. 源氏が若い頃、父の妻 藤壺とセックスして秘密の子 冷泉帝を作ったから。晩年は自分の妻が柏木とセックスし、秘密の子 薫を産む側に回る。
Q. 柏木と女三の宮はその後どうなる?
A. 柏木は罪悪感と恐怖で壊れて病死する。女三の宮は髪を切って恋や結婚の世界から離れ、お寺のほうへ行く。

次に読む

もし現代でやったらコンプライアンス違反疑惑度★★★★

奪った側が奪われる番、因果がきれいに一周

  • 刑法130条正当な理由なく他人の住居や建物に侵入する行為などに関する規定(住居侵入等)。
  • 刑法177条同意のない性交等を処罰する規定(不同意性交等)。
  • 民法709条故意または過失によって他人の権利を侵害した者に損害賠償責任を負わせる規定(不法行為)。

元になった物語の出来事に、現代日本の実在する法令を当てはめたらどの条文に触れうるか、という読み物としての見立てです。条文番号だけを並べています。

入試に出た

この作品が実際の大学・高校入試でどう問われたかを、出典を明記して紹介します。

  • 大学入学共通テスト 国語2025年古文

    出典: 源氏物語「若菜下」(および擬古物語「在明の別」との読み比べ)

    女三の宮が源氏の正妻として迎えられたあとの六条院を舞台に、紫の上が重い病で危篤に陥り、そこへ物の怪(六条御息所の死霊)が現れて積年の恨みを語る場面が出題された。問われたのは主に三つ。(1)本文の場面理解(誰が病み、誰の前に何が現れ、何を言っているか)。(2)傍線部の敬語が尊敬・謙譲・丁寧のどれで、誰から誰への敬意かという敬意の方向。(3)源氏物語と擬古物語『在明の別』を並べ、似た状況や心情をどう関連づけて読むかという複数文章の読み比べ。

    答えの要点:正解の核心はまず人物関係を取り違えないこと。病に倒れているのは源氏が長年いちばん大事にしてきた紫の上で、現れて恨み言を語るのは生前に源氏の愛を競った六条御息所の死霊(物の怪)である。源氏の正妻には血筋の重い女三の宮が新たに入っており、紫の上はその輿入れで心を深く痛めている。物の怪の発言は、源氏に愛されながらも報われなかった女の嫉妬と執着を示すものだと押さえれば心情説明で外さない。敬語は、地の文の尊敬語(給ふ等)が源氏や紫の上ら高位の人物への作者の敬意、会話文中の敬語は話し手から聞き手や話題の人物への敬意、と『誰から誰へ』を一つずつ確定するのがポイントで、主語を補って動作主と受け手を取り違えないことが得点の鍵。読み比べは、二つの文章に共通する『愛と嫉妬で苦しむ女性の心』という主題や、病・死霊・人の情念といった共通モチーフを軸に、両者の状況を対応づけて答えればよい。

腕試し(オリジナル問題)

過去問の丸写しではなく、この記事のために作った自作の練習問題です。腕試しにどうぞ。

問1この物語では、若い頃の光源氏と晩年の光源氏が、ちょうど鏡のように対になる立場に置かれている。誰と誰の関係がどのように反転しているのかを、生まれた子の名前にも触れながら説明しなさい。

問2柏木が女三の宮への思いを募らせる発端は、蹴鞠の場で猫が御簾を引き上げてしまった出来事だった。なぜ「姿を見られた」というだけのことが、これほど重大な出来事として描かれるのか。当時の貴族社会の常識をふまえて説明しなさい。

問3薫が柏木の子であることに、光源氏をはじめ周囲の多くが薄々気づいている。それでも誰もそれを口に出さない。登場人物たちが沈黙を選ぶ理由を、関係者それぞれの利害に触れて説明しなさい。